鉄道ファンの間で「撮り鉄」「乗り鉄」と並ぶ新たなジャンル「盛り上げ鉄」として活動するフリーアナウンサーの田代剛さん(46)が、古里・宮崎の路線の魅力を発信している。6年前にMRT宮崎放送(宮崎市)を退職し、元放送局アナウンサーらしい人を引きつける語り口で、乗客数の減少が続くJR吉都線と日南線を中心に鉄道の魅力をユーチューブなどで伝えている。
「わくわくする話題を提供したい」
田代さんは「わくわくする話題を提供したい」と話し、利用促進に向けたイベントの企画や自治体への提案にも奔走している。トレードマークの旧国鉄時代の帽子をかぶり、鉄道の話になると自然と顔がほころぶ。
原点は幼少期のローカル線の旅
宮崎市出身の田代さんは、幼い頃に家族でローカル線に乗ってよく旅をしたのが原点だという。乗り合わせた人からアメをもらうなど、車内はおおらかな雰囲気の中、ゆったりと時間が流れていた。旅行の楽しさと相まり、鉄道の存在を深く胸に刻んだ。
小学生になると、自転車で片道約15分かけて特急などが止まるJR宮崎神宮駅に通い、インスタントカメラで撮影に熱中した。地元模型店の「撮り鉄」の店主と親しくなり、できあがった写真を見せるのが楽しみだった。
アナウンサーへの憧れと鉄道への情熱
店内でいつも流れていたのがMRTのラジオだった。「その記憶がアナウンサーへの憧れの一つになったのかもしれない」。2007年に徳島市のテレビ局からMRTに移籍し、自らの名を冠したラジオ番組も持った。列車への熱い思いは変わらず、マイクを前に鉄道について語る時に居心地の良さを感じた。リスナーも「本当に好きなんですね」と反応した。
マイカーの普及などに伴い、ローカル線を中心に乗客数は減少が進む。古里の力になりたいとの矜持があり、「自分に何か貢献できることはないか」と考え、吉都、日南両線の沿線自治体やJR九州などと関係を深め、ライフワークとして両線のイベントなどに参画するようになった。2020年にMRTを退職後、鉄道との関わりはさらに深まった。



