看板絵師・中村高徳さん、嘉穂劇場向けに手描き看板を制作 写真のような出来栄え
看板絵師・中村高徳さん、嘉穂劇場向け手描き看板を制作

福岡市在住の看板画家・中村高徳さん(81)が、再開場する嘉穂劇場に飾る芝居の絵看板を手描きで制作している。畳一畳よりも一回り大きいベニヤ板に絵筆で丁寧に描かれた作品は、まるで写真のような出来栄えだ。

嘉穂劇場の再開場に向けた依頼

看板制作は、国登録有形文化財の芝居小屋「嘉穂劇場」(福岡県飯塚市)が10月24日、約5年ぶりに見学施設として再開場するのに合わせ、劇場を所有する飯塚市から依頼された。この劇場での歌舞伎公演を題材にした2枚は完成し、残り1枚は全国座長大会を描く。

劇場は1931年に建てられ、炭鉱町の娯楽施設としてにぎわった。2003年の豪雨被害から復興したものの、コロナ禍の経営難で運営していたNPO法人が解散し、劇場と土地は飯塚市へ無償譲渡された。

数少ない手描き看板画家の技

手描きの看板画家を続けている人は、ごく限られるという。中村さんは長崎県出身で、これまでに1千点以上の映画看板を手がけた。福岡市にあった芝居小屋の絵看板も描いたことはあるが、嘉穂劇場向けの制作は初めてという。

「筑豊の歴史ある劇場に残る。名誉なこと」と意気に感じて引き受けた。

再開場時に披露

看板は再開場時に、劇場正面に並べて披露される。「体力も必要。年の割にはいい感じに仕上がった。手描きの味わいを見てほしい」と話す。