映画『シャドウワーク』(9月25日公開)の完成披露上映会が20日、都内で行われ、吉岡里帆、奈緒、美保純、酒井若菜、ファーストサマーウイカ、佐月絵美、風吹ジュン、𠮷野竜平監督が登壇した。MCは奥浜レイラが務めた。
吉岡里帆が語る脚本の印象と役作り
小鳥を愛する、声なき痛みを抱える女性・紀子役を演じた吉岡は、脚本を読んだ感想を聞かれ、「脚本の構成上、奈緒さん演じる薫と私が演じる紀子という女性の2本軸で物語が進むんですね」と前置き。「絶対に交わらなかったはずの2人が交わっていくところのミスリードといいますか。サスペンスの要素とDVという暗い描写もたくさんあるんですけど、その悲しい描写と、そして『おうち』というシェルターの優しくて温かい空気感が交わったときに不思議な化学反応を起こして、皆さんを物語の世界にグッと引き込んでくれる作品だなっていうふうに感じまして、これは絶対に演じさせていただきたいという熱い思いになったことを覚えています」と振り返った。
自身が演じる紀子については、「紀子はDV被害を受けているのですが、友達や家族がそばにいないので、すごく孤独で。信じられる人が誰もいない孤立した人」と説明。「そんな人が『おうち』で温かくて、かっこいい女性たちと出会って、どんどん成長していくという、その変化のところを一番大事に演じました」と話した。
吉岡里帆から観客へのメッセージ
イベントの最後に、吉岡は「善悪って、簡単には説明がつかないことがよくあると思うんですけど、この映画はまさにそういう議題なんですよね。なので、皆さんにとって何が悪で何が善なのかということを、映画が終わったあとに考える時間を作っていただけたらとても嬉しいですし、私自身もこの映画を撮りながら、何が正しいのかっていうのがどんどん分からなくなっていって、頭が混乱していくような時間があって」と回想した。
続けて、「やっぱり映画って楽しむっていう時間も素晴らしいんですけど、自分自身が作品を通して、自分と思考するっていうのは本当にかけがえのない時間になると思います。ぜひ皆さん自問自答してみてください。そして自分の中にある弱い部分に対して、『弱い心をなめるなよ!』と私は思いながら演じていたので、自分自身のことも鼓舞していただけたら嬉しいなというふうに思っています。ぜひ映画楽しんでください」とメッセージを送った。
『シャドウワーク』のストーリー
日常的に暴力を振るう夫から逃げてきた紀子。絶望の中、入院先の看護師・路子に救われ、配偶者や親から暴力を受けた女性たちを匿うシェルター『おうち』に身を寄せる。そこでは暮らしのすべてが「持ち回り」というルールで成り立っていた。
穏やかで守られた日々を取り戻していく紀子だが、少しずつ違和感を覚え始める。やがて『おうち』が“交換殺人”によって女性たちを解放している事実を知る。残るか去るか、選択を迫られる紀子。一方、ある事件を追う刑事・薫もまた夫からの暴力に苦しんでいた。
疑われることのない夫・晋一と追い詰められていく現実のなかで、薫は事件の先に『おうち』の存在へと辿り着く。そして晋一の存在によって、その均衡が崩されていく――。



