「自分だけ…」と感じる人の盲点
精神科医Tomy氏は、自分の人生を他人と比較して「もういい年齢なのに、自分だけ…」と悩む人が陥りがちな盲点として、「他人軸」での選択を挙げている。他人軸とは、選択をする際にまず他人の顔が頭に浮かぶ思考パターンで、「あの人に嫌われたくないから」「空気が読めないと思われたくないから」「親に恥ずかしいと言われそうだから」といった理由で行動を決めることを指す。
こうした他人軸での選択が続くと、自分の納得感が後回しになり、「自分は何がしたいのか」「何を選びたいのか」という感覚自体がわからなくなっていくという。そして、他人軸で選んだ結果がうまくいかなかった場合、人はいつまでもクヨクヨしがちだ。そのときになって初めて、「本当は、こうしたかった」という気持ちに気づくからだとTomy氏は説明する。
他人軸で生きる難しさ
たとえ他人軸での選択がうまくいったとしても、別のつらさがある。他人の顔色を基準に選ぶということは、これからもずっと他人の反応を気にし続けなければならないということだ。他人はコントロールできないため、「大丈夫かな」「これでよかったかな」という不安はなかなか消えない。その結果、ふとしたときに「私は何がしたかったんだろう」という疑問が浮かび上がってくる。
だからこそTomy氏は、100%でなくてもいいから、なるべく自分軸で生きていくことが大切だと主張する。つまり、「自分が納得する答えを選ぶ」ということだ。
選択肢が増えすぎる問題
しかし、今の時代には特有の難しさがある。仕事、生き方、結婚、子どもを持つかどうかなど、昔のように「この年齢なら、こうするもの」「この道を選ぶのが普通」と、はっきりした正解を押し付けられることは減ってきた。一見すると非常に自由な時代だが、実際には自由になった分、すべてを自分で決めなければならなくなったとも言える。
正解がなく、指針もなく、誰も「これでいい」と言ってくれない状況で、「自分が納得できる選択をしなさい」と言われても、簡単ではない。選択肢が多いほど、人は「もっと良い答えがあるんじゃないか」と考え始め、選んだ後も選ばなかった可能性が気になって心が休まらない。
迷子から抜け出す処方箋
精神科医Tomy氏は、こうした「人生迷子」から抜け出すために、まずは自分軸を意識することの重要性を強調している。完全に自分軸に切り替えるのは難しくても、少しずつ自分の納得感を優先する選択を積み重ねることが、長期的には心の安定につながると述べている。
また、選択肢の多さに圧倒される場合は、あえて選択肢を限定することや、自分にとって本当に大切な価値観を明確にすることが有効だとアドバイスしている。他人の評価ではなく、自分自身が「これでいい」と思える基準を持つことが、迷子からの脱出につながるという。



