沖田修一監督、初の本格小説『さとこはいつも』刊行決定 映画では描けなかった“さとこ”たちの物語
沖田修一監督、初の小説『さとこはいつも』刊行

沖田修一監督が手がける映画『さとこはいつも』(9月18日公開)の原作でもある書き下ろし小説『さとこはいつも』が、8月21日に文藝春秋から刊行される。沖田監督にとって初の本格的な小説作品となる。

映画では描ききれなかった「さとこ」たち

本作は、監督デビュー20周年を迎えた沖田監督による完全オリジナル作品。映画の脚本を執筆する中で、「脚本には書き切れない『さとこ』たちがいた」と感じたことから、ノベライズではなく、一から小説として書き下ろしたという。

映画は、年齢も育った環境も異なる3人の「さとこ」が主人公。初恋に揺れる15歳の中学生・中井聡子(姫野花春)、映画配給会社で働く35歳の西田沙都子(有村架純)、子育てを終え自分の夢と向き合い始める55歳の飯島里子(石田ひかり)が、それぞれの人生を書き始めたことをきっかけに物語が交差する。小説でも3人の視点から物語が展開し、塩辛への愛、初恋、不倫、家族など、それぞれが抱える思いが描かれる。

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沖田監督が語る執筆の経緯

沖田監督は刊行にあたり、「きっかけは映画でした。3人の『さとこ』という女性が物語を書こうとするお話。その脚本を書いていると、どうしても彼女たちが書いた中身までは描けず、悶々としていると、それならもういっそのこと小説として書いてやれ、と思い立ちました」と説明。さらに、「映画のノベライズというのがどうしても我慢できず、この物語に登場する彼女たちのように、新しい気持ちで一から小説を書いてみたいと思いました。書きたいけど、あんまり上手く書けない、どこにでもいそうな普通の人の気持ちを書きました」と語り、「映画と一緒に楽しむでももちろんいいですし、この小説だけでも楽しんでもらえると思います」と呼びかけている。

第1章「初恋とネブライザー」冒頭公開

あわせて、小説第1章「初恋とネブライザー」の冒頭も公開された。主人公・聡子が耳鼻科でネブライザーを受けながら、ソフトボールや高校受験、友人との関係、そして「塩辛」のことをぼんやり考える場面が披露され、沖田監督らしいユーモアと温かな視点が垣間見える内容となっている。

小説版『さとこはいつも』あらすじ

中井聡子、中学2年生。じりじりと迫りくる高校受験を薄目で見ながら、昼休みには屋上で友人たちと恋バナに花を咲かせ、放課後になれば、渋々入ったソフトボール部で嫌々ライトを守る(※ボールが飛んでくると逃げる)日々だ。

西田沙都子、35歳。韓国カルチャーと姪っ子をこよなく愛し、映画配給会社でしゃにむに働く。隠れた名作を世に広めたい!という初心はどこへやら、山積みの仕事に忙殺され、現実を知るうち、無難でより広くウケそうなコピーばかりひねり出すようになってしまった。

飯島里子、55歳。毎朝3人の息子のお弁当作りに精を出し、あっという間に20年が経った。三男の最後のお弁当の日、家族は誰もそのことに気が付かない。ふと顔を上げれば、読書好きだった学生時代に抱いていた小説家の夢もはるか遠くに。

塩辛への愛に初恋、不倫、家族。彼女たちには、書かずにはいられない物語があった――。

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