俳優の岡田准一さんがナビゲーターを務めるラジオ番組「GROWING REED」(J―WAVE)で、ゲストが残した「金言」を1冊にまとめた著書「人生は、いかに没頭する大人に会えるかで決まる」が出版された。岐阜市の長良川鵜飼の鵜匠・杉山雅彦さんの言葉も収録されている。岡田さんは読売新聞のインタビューで、番組や岐阜への思いを語った。
20年の対談を凝縮したエッセー集
「GROWING REED」は2005年に開始し、「人間は成長する葦である」をテーマに、俳優や芸術家など各分野のエキスパート1000人近くをゲストに迎えて対談してきた。昨年放送開始から20年を迎え、節目を記念して今年3月に同書を出版した。小説家の林真理子さん、映画監督の是枝裕和さん、解剖学者の養老孟司さんら、100人のゲストとの対談を収めている。
岡田さんは番組を「スペシャリストの特別授業」と称し、「いつかは本にできたらいいなとずっと言い続けてきた。20年間いろいろとすてきな言葉をいただき、それをたくさんの方に本という形で共有できるのはうれしいこと」と振り返る。この本は、ゲストの言葉と、岡田さんが感じたことや学んだことを短いワードで読みやすくつづっている。何かに没頭し、心から人生を楽しんでいる多彩な大人たちの圧倒的な熱量がそのまま凝縮された1冊に仕上がっている。
AI時代に問われる思考
これまでの対談を振り返り、「興味を持っていることをコアに語れる人は幸せそうなんですよね。人工知能(AI)で答えが何でも出てきてしまう時代ですが、それとは違う思考が問われてくることを感じてもらえたら。だからこんなに長いタイトルになったんだと思います」と笑う。
今後については、「僕のライフワークが何になるのかという年齢になってきた。自分が年を重ねていったときに、人と対話していくことがどのように変化していくのか楽しみ」と展望を描いた。
岐阜への思いとロケ地としての可能性
岡田さんは2023年に「GROWING REED」の収録で岐阜を訪れた。同時期に放送されていたNHK大河ドラマ「どうする家康」で織田信長を演じていた岡田さんは、自身の撮影は終えており、信長の残り香を味わうとともに、信長が実際にいた地を見たいとの思いがあったという。
1300年以上続く長良川鵜飼の鵜匠である杉山さんと対談し、「時代に合わせることはあっても、本質の部分はちゃんと間違えないようにつないでいくことを意識された男前な人」との印象を語る。実際に鵜飼を見て、「ともに暮らし、手なずけることはせず、野生っぽさを大切にする古来のあり方を感じた」とし、長良川鵜飼を手厚く保護した信長に思いをはせた。
山登りが趣味で、プライベートでも高山市と長野県にまたがる乗鞍岳に登ったことがあるという岡田さん。昨年、動画配信サービス「Netflix」で配信された、明治時代を生きる侍たちのバトルロワイヤルを描いた主演作品「イクサガミ」は、美濃市の洲原神社でも撮影した。同作でプロデューサーとアクションプランナーも務めており、「本物の場所で重要なシーンを撮影したいとお願いしたら、快諾いただけました。岐阜は山も川もあり、ロケ地として今後もお世話になれたら」とプロデューサーの一面を見せた。
「人生は、いかに没頭する大人に会えるかで決まる」は、全国の書店などで発売中。四六判、256ページで税込み1870円。「GROWING REED」はJ―WAVE(東京)で毎週月曜午前0時から放送中。
鵜匠・杉山さんの言葉と評価
岡田さんは著書の中で、杉山さんの言葉として「我々の技術を正確に、次にどうやって残していくか。受け継いでもらうかっていうことを考えながらやるというのが難しいところ」と記している。杉山さんは当時を振り返り、岡田さんを「男らしい」と高く評価し、「鵜飼に興味を持って話してくれてうれしかった」と笑顔を見せた。
岡田さんは、自分を成長させてくれた言葉として《技術は守りながら、渡し方は時代に合わせて変えていくのが伝統》と締めくくっている。



