舌がん手術を前に最後の歌声
バレエ団『The Ballet Show』のメンバーで、ジョージアンダンサー兼ミュージカル俳優の野口雅史が5日、東京・品川学藝高校にて単独コンサート『The Origin』を開催した。舌がんの手術を控え、プロレベルの歌唱が困難になる可能性を前に、歌声を届ける最後の機会として実施された。
多彩な経歴とがん診断
野口は2024年より『The Ballet Show』のメンバーとして舞台に立ち、ジョージアンダンサーとしての舞踊と歌声で観客を魅了してきた。劇団四季に6年在団したミュージカル俳優としてのキャリア、宝塚歌劇『ディミトリ』でのジョージアンダンス振付、ジョージア民族舞踊日本人第一人者としての活躍など、多彩な経歴を持つ。
しかし舌がんを罹患し、リンパ節への転移と診断され、手術を受けることが決定。手術後はプロレベルで歌うことが困難になる可能性があるという現実を前に、「手術前に、自分の歌を届けられる場をつくりたい」という強い想いから単独コンサートの開催を決意した。
「The Origin」に込めた想い
「今の自分にできるすべてをこのステージに注ぎたい」という野口の想いから実現した本コンサート。ポスタービジュアルには「ご報告」とし、「このたび、がんと診断され、手術を受けることになりました。つきましては、手術前に感謝の思いを込めて、最後の歌&トークショーを開催します。ぜひ、会いに来てください」とメッセージをつづっていた。
『The Origin』というタイトルには、「自分の原点」「音楽との出会い」「ここから始まった、すべてのもの」への想いが込められている。踊りと歌、そしてこれまでの歩みのすべてをひとつの舞台に凝縮した、唯一無二の日となった。
満員の観客に感動のステージ
当日は満員の421人がホールを埋め、野口の歌声に耳を傾けた。これまでの軌跡をたどる楽曲から、トークと融合した表現まで、惜しみなく全力を注いだステージに、会場は何度も大きな拍手と感動に包まれた。終演後は「涙が止まりませんでした」「ノグチさんの声を生で聴けてよかった」「また必ずステージに戻ってきてください」などと、多くの観客が言葉を寄せた。



