「やる気が出ないのは自分のせいだ」と思い込んでいないだろうか。コラムニストのジェーン・スー氏は、その原因が気合い不足ではなく、天気にあると気づいた経験を語る。「気象病」という言葉に出会い、自分の不調を無理に克服しようとしなくてよくなったという。
名前がつくことで見える自分の位置
ジェーン・スー氏は、自身の体験を次のように振り返る。「名前がついたり視覚的に表されるのって、地図上で自分が立つ位置に印がつくのと似ている。いま自分はここにいるんだとわかると、次のアクションを起こしやすくなる。『アクション』と言っても、前向きな行動ばかりでなくても良い。『なるほど、ならば仕方がない』と、潔くあきらめるのも選択肢のひとつになる。」
最近気に入っているニューワードは「気象病」だという。雨が降ると古傷が痛んだり、気圧が下がると頭痛を感じる人が多いのは昔から知られていたが、医学的根拠があるのかわからず、単に自分の気合いが足りないのかと思っていた。しかし、気象病の症状には「だるさ」「睡眠不足と無縁の眠気」「うつうつとした気分」など、やる気のなさを連想させるものが少なくない。
「怠け者と思われたくない」というプレッシャー
多くの人は、出社した途端に机に突っ伏して寝てしまいたい、家事も育児も投げ出して布団に戻りたいという衝動を抑えている。しかし、そうはいかないからコーヒーを飲んで自分をなだめすかす。「怠け者とは思われたくないから」と我慢してしまう人が多いとジェーン・スー氏は指摘する。そして、「ホントにホントにおつかれさま」と労う。
しかし、気圧の変化が激しい日に限って言えば、もうその必要はないかもしれない。この現象に医学的根拠が見出され「気象病」という名前がついたからだ。「ハレルヤ!名前がついただけで、私の心はグッと軽くなった」とジェーン・スー氏は語る。
視覚化で「仕方がない」とあきらめる
さらに、気圧の高低を視覚的に認識できるグッズもある。気圧計やウェザーボール、晴雨計と呼ばれるもので、気圧が下がれば球体の中に入った色のついた水の水位が上がる仕組みだ。地球儀やカエルのシェイプでどれも可愛らしく、インテリアとして部屋に置いても違和感がない。低気圧のときにはびっくりするほど水位が上がるため、「こりゃ仕方がない!」とスッキリあきらめられ、己の不調に後ろめたさを感じなくてすむ。
「ああ、名前がつくのって素晴らしい。目視できるのって素晴らしい。自分が立っている場所がわかれば、無駄に己を責めずにいられるから」とジェーン・スー氏は締めくくっている。



