市川團子、祖父・猿翁への追憶と決意「絶対に追いつく」
市川團子、祖父・猿翁への追憶と決意

歌舞伎俳優の市川團子(22)が、2025年10月に東京・東銀座の歌舞伎座で「義経千本桜」の狐忠信を初役で勤めた。この役は、2023年に死去した祖父・市川猿翁が生涯をかけて臨んだ当たり役である。

「義経千本桜」は、兄・源頼朝から謀反の疑いをかけられた源義経を軸にした壮大な物語で、松竹創業130周年記念として通し上演された。冒頭の「鳥居前」から「吉野山」、終盤の「川連法眼館(通称・四の切)」へと続く。四の切では、義経の忠臣・佐藤忠信の姿に化けた子狐が、親狐の皮が張られた鼓を抱いて飛び去っていく。團子は祖父が残した多くの芸談と映像を道しるべとした。

学業と舞台の両立

歌舞伎と学業を両立し、今年3月に大学を卒業。卒業論文では「四の切」を論じた。「大学に行くからには絶対に卒業する」という強い覚悟で、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」のロングラン公演など数多くの舞台をこなしながら学業に取り組んだ。「知識を得るだけではなく、走りきったという感覚が今後の自分を支えてくれる『礎』に、必ずなる」と語る。祖父が口にしていた「外から歌舞伎を見る目を養う」こともできたと感じている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

大河ドラマ初挑戦

卒業直後には、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の撮影に臨んだ。小栗旬演じる織田信長の近習、森乱(森蘭丸)役を務めた。12日に放送された「本能寺の変」では、炎の中で「わしの首……決して敵の手に渡すでないぞ」と命じる主君を真っすぐに見上げた眼差しが視聴者に鮮烈な印象を残した。

テレビドラマは初挑戦で、初めてのせりふは「3回くらい飛んでしまった」という。すると、主人公・小一郎役の仲野太賀と、秀吉役の池松壮亮が「森乱、大丈夫か!」と声を掛けてくれた。「場を和ませてくださった」と感謝する。

映像ならではの緊張感

歌舞伎の多くは先人たちが積み上げてきた演目の再演で、一つの役を1か月繰り返し演じる。一方、映像作品は「自分で役を創り、一人で闘うような感覚もあった。その映像がずっと残るので、舞台とはまた違った緊張感がありました」と振り返った。

祖父への決意

22歳となった團子は、自分の「現在地」が「どんどん、どんどん、後ろになっていく」ような感覚に襲われるという。「取り組めば取り組むほど、知らない世界が増える。祖父の姿が遠くなっていく」と明かすが、その瞳は曇りなく輝いている。「どれだけ遠くなっても『絶対に追いついてやる!』って、思っているので」と力強く語った。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ