中学時代の高井さんは、成績は常に上位だったにもかかわらず、工業高校に進学して高卒で働くことを当然と考えていた。家族や周囲に大学進学を語る大人がおらず、「勉強ができても価値がない」と思い込んでいたという。
友人の一言が人生を変えた
中学3年の進路面談の時期、高井さんは地元の工業高校への進学を決めていた。しかし、同じく面談を控えた友人が「俺より成績いいのに、普通科にしないの?大学行かないの?」と何気なく尋ねたことで、状況が一変する。この言葉に高井さんは混乱し、「大学ってなんだよ?俺が大学行って、どうするんだよ」と感じたが、友人や先生に相談するうちに大学進学という選択肢があることに気づいた。
その後、両親に「俺、普通科行って、んで、名大行くわ」と宣言。担任も「お前、やれば勉強得意だろうから、大丈夫だろ」と軽い調子で背中を押した。この何気ない会話だけで、彼の人生は180度方向転換した。
家業と受験勉強の両立
中学3年の冬、高井さんはパチンコ店のネオン工事を元日以外はほぼ毎日手伝わされていた。家業の納期が厳しく、受験勉強より優先せざるを得なかった。それでも限られた時間に居間のちゃぶ台で参考書を広げた。彼は小中高を通じて勉強机を持ったことがなく、塾にも通わなかったが、地元の進学校を経て名古屋大学法学部に現役合格した。
高井さんは現在、ベストセラー作家として活躍している。自身の経験から、環境や周囲の言葉が人生に与える影響の大きさを語っている。



