初対面で「車でどっか行かない?」ドライブマンに婚活女性が感じた恐怖
初対面で「車でどっか行かない?」ドライブマンの恐怖

恋愛・婚活コンサルタントとして数多くの女性の相談に乗ってきた筆者が、これまでに寄せられた相談の中でも特に印象深い「忘れられない婚活男子」を紹介する。今回は「初対面のご飯のあと『車でどっか行かない?』ドライブマン」と題し、研究者らしい男性とのエピソードを紐解く。

研究者らしい外見と、好印象な振る舞い

待ち合わせに現れたのは、チェックシャツにベージュのチノパン、資料やノートPCが入っていそうな大きめの黒いリュックを背負った、いかにも研究者然とした男性だった。長年デスクワークをしてきた人特有の立派な猫背も、彼女には「研究者の勲章」と映ったという。

彼女の視線に気づいた男性は、「毎日机に向かいすぎて猫背になっちゃいましたー、ハハハ」と照れ笑い。その態度には押しつけがましさがなく、派手さはゼロながら不快感もゼロ。異性として強烈にときめくタイプではないが、女遊びで忙しそうな気配はなく、むしろ「結婚したら案外こういう人がいいのかも」と思わせる空気があった。

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若い頃は恋愛リアリティ番組『バチェラー』に出てくるようなキラキラした王子様に惹かれていた彼女も、「将来子どもができたら、一緒に図鑑を開いてくれそう」と、この男性を“いいパパ候補”として評価した。婚活ではこうした加点が意外に大きいものだ。

さらに、彼の店選びは丁寧だった。事前に好きな食べ物を聞き、豆腐料理メインの和食ダイニングの個室を予約。相手の好みを聞き、個室を押さえるという“雑ではなさ”は、婚活市場ではかなり優秀と言える。

「車でどっか行かない?」の一言で警報が鳴る

食事が終わり、そろそろお開きかと思ったタイミングで、彼がさらっと言った。「このあと車でどっか行かない?」。このひと言で、女性の頭の中では警報が鳴った。過去に登場した残念な婚活男子を一気見するような衝撃だ。

「ヤリモク(体目的)確定でしょ」という強烈な不信感が湧き上がる。「それって密室ってこと?」「人気のない場所に連れて行かれたら?」。大げさではない。ニュースではマッチングアプリの事件もよく見聞きする。初対面の男性の車に乗ることが、女性にとってどれほどのリスクか。その想像ができない時点で危うい。

豆腐ダイニングの個室も、ホテルに連れ込むための布石だったのかもしれない。そもそも自分はそんな軽く見られていたのか――。チェックシャツも猫背の自虐も、今となっては“真面目な研究者”ではなく、“安心させるための演出”に見えてくる。女性の警戒心とは、そういうものだ。結局、彼女はやんわり断り、その日は食事だけで帰ったという。

研究者として優秀でも、婚活では前提条件が抜けていた

なぜ、会ったばかりの女性をいきなりドライブに誘ったのか。おそらく、どこかで“助手席マジック”を仕入れていたのかもしれない。横並びで同じ景色を見ると距離が縮まるという、恋愛ハウツー界の古典的理論だ。しかし、それが成立するのは、すでに信頼関係がある相手に限られる。前提条件のない密室は、ただのホラー空間である。

研究室では完璧なデータを導き出せるのかもしれないが、婚活では「女性の警戒心」という変数を完全に計算に入れ忘れている。婚活は、論文ではなく“目の前の人間”を読む場だ。誤解のないように言えば、彼に悪意はなかったかもしれない。だが、初対面の女性を車に誘うことがどれほど怖く映るか、その想像ができていない時点で十分に失格だ。

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婚活はフィールドワークである。相手を観察し、反応を見ながら慎重に距離を縮めていく。本来、研究者が得意としていそうな工程のはずだ。論文なら後から修正できるが、婚活の第一印象はそう何度も再提出できるものではない。