在日朝鮮人2世の映像作家、朴寿南(パクスナム)さん(91)が手がけたドキュメンタリー映画「もうひとつのヒロシマ―アリランのうた―」(58分)が7月10日、広島市中区の映画館「八丁座」で上映を開始した。1986年の制作以来、全国各地で自主上映が行われてきたが、広島の劇場での公開は今回が初めてとなる。
「原爆スラム」に住み込み、朝鮮人被爆者の声を記録
朴さんは、かつて「原爆スラム」と呼ばれたバラック住宅に実際に住み込み、朝鮮半島出身の被爆者たちへの聞き取りを長年にわたって続けてきた。作品には、治療のために広島を訪れた韓国在住の被爆者を含む16人が出演。彼らが広島に渡った経緯、被爆体験、戦後の暮らしなどを自らの言葉で語っている。
出演者の大半はすでに亡くなっており、朴さんの娘である麻衣さんは「いまでは撮ることのできない作品」と語っている。
関連企画で「よみがえる声」も同時上映
今回の上映は、3月に同館で上映された朴さんの別作品「よみがえる声」(148分)のアンコール上映に合わせた企画。この作品には、広島・長崎の被爆者のほか、長崎県の「軍艦島」で働かされた元徴用工や、旧日本軍の慰安婦にされた女性たちが登場する。
上映は7月16日まで。各日とも「よみがえる声」は午前10時から、「もうひとつのヒロシマ―アリランのうた―」は午後0時55分から。11日と12日には朴さんの舞台あいさつも予定されている。



