千葉市美術館(千葉市中央区)で、千葉開府900年記念特別展「月と星と-美術がつなぐとき」が開催されている。大治元年(1126年)の開府以降、千葉を治めた千葉一族が北極星や北斗七星を神格化する「妙見信仰」を重視していたことから、月と星にスポットを当て、千葉ゆかりの資料や現代美術など180点を展示している。
28年ぶり公開の絵巻と修復後初公開の大壁画
特別展は3部構成。第1部「千葉妙見と千葉のまち」では、千葉氏の妙見信仰が地域の成り立ちに果たした役割を解説。目玉は28年ぶりに公開された県指定有形文化財「千葉妙見大縁起絵巻」(室町時代~江戸時代初期)。千葉氏一族と妙見菩薩との出会いや加護による戦での勝利など、千葉妙見の姿を絵で見られる貴重な資料で、全4巻・全長約32メートルの大作だ。
また、日本画家の田岡春径(1887-1969年)が千葉妙見大縁起絵巻を原案に描いた縦3.6メートル、横8.2メートルの大壁画「妙見尊出現之図」にも注目。昭和42年、千葉市郷土館(現在の千葉市立郷土博物館)開館に際し、「千葉市の歴史を象徴する壁画を」という市の依頼で作製された。長く非公開だったが、千葉開府900年記念事業として修復され、今回が修復後初公開。当時81歳の田岡が描いた壁一面を彩る大迫力の作品だ。
星の信仰と現代アートの展示
第2部は「星の信仰とかたち」として、古今東西で星がどのような存在だったのかを問う構成。市立郷土博物館が保有する多くの天文資料コレクションを中心に、星座を中心とした西洋の星図と、星一つひとつに願いを込めていた日本などの資料を対照して見ることができる。江戸時代の絵師・蘭学者として知られる司馬江漢(1738-1818年)の「天球図・天球全図」は、西洋と東洋の異なる発想の天文図を苦心して重ね合わせた貴重な資料だ。
第3部は「月星をめぐるアートの現在、そして未来」をテーマに、市美術館所蔵の現代美術品や国内外で活躍する9組の現代作家の新作・未発表作などを中心に取り上げる。木彫で動物を表現する作品で知られる彫刻家、三沢厚彦さん(64)の「Animal2023-01(キメラ)」は、さまざまな動物のパーツが一つに組み合わさった高さ約3.2メートルの彫像で、入場無料エリアの美術館1階「さや堂ホール」の中心で来場者を出迎える。
開催概要
特別展は11月23日まで。入場料は一般1500円、大学生1000円、高校生以下は無料。



