チャップリンの「街の灯」が初の文楽化、桐竹勘十郎が主人公・与次郎役に
チャップリンの「街の灯」初文楽化、勘十郎が主演

人形遣いの人間国宝、桐竹勘十郎にとって、喜劇王チャールズ・チャップリンは特別な存在だ。足遣いだった若き日、映画館で「黄金狂時代」を見て「頭をがつんと、どつかれたような衝撃を受けた」。フォークに突き刺したパンを脚に見立ててダンスを披露する場面に触発され、奮起するきっかけとなった。

「街の灯」が初の文楽化

チャップリンの代表作「街の灯」が初めて文楽になり、7月18日から大阪・国立文楽劇場で上演されている。勘十郎は主人公・与次郎役を勤める。新調した人形の頭部「首」は眉が大きく動く仕掛けで、「映画のクローズアップの表情に近づけたい」と試行錯誤した。

物語は幕末の大坂が舞台。与次郎は盲目の花売り娘・お花に恋をし、治療費を捻出しようと賭け相撲に出るが失敗。薬商・勘右衛門を助けた縁で得た百両をお花に届けるが、泥酔した勘右衛門とトラブルになり牢に入る。治癒したお花は与次郎に再会し、手の感触で恩人だと気づく。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

文楽とチャップリンの共通点

脚本・演出の大野裕之は、研究団体「日本チャップリン協会」の会長も務め、「文楽は義太夫節と大坂言葉によるリズムのアート。チャップリンの身体からあふれるリズムとも響き合う」と共通点を見いだした。切場語りの豊竹若太夫は、脚本を義太夫節に直す補綴と語りを担い、「チャップリンの究極の愛の物語は、情を描く文楽にぴったりだ」と手応えを得た。

作曲は三味線の鶴澤友之助。ギターやコントラバスを学んだ経験から、西洋音楽のエッセンスを取り込み、「奇抜ではないが斬新な曲作り」をかなえた。

チャップリン家も来日

1932年に文楽を観劇したチャップリンは「人形がまるで生きているようだ」と感涙し、61年には名人・吉田文五郎の楽屋を訪れ握手を交わした。「まちの灯」の初日には喜劇王の四男ユージーン・チャップリンが観劇し、「人形のパントマイムと音楽の融合は父の映画に通じ合う」と喜んだ。

「夏休み文楽特別公演」「文楽サマーフェスティバル」は8月9日まで大阪・国立文楽劇場で上演中。夏休み特別公演は第1部(午前11時)が親子劇場で、解説と「雪狐々姿湖」。第2部(午後1時45分)は名作劇場で「源平布引滝」「恋娘昔八丈」。午後6時開演のサマーフェスティバルでは「寿柱立万歳」と「まちの灯」が上演される。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ