映画「平行と垂直」が28日から全国公開される。安田章大が映画化を企画し、自ら自閉スペクトラム症の主人公を演じた人間ドラマだ。妹役でのんがダブル主演を務める。
兄を支えてきた妹の結婚話をきっかけに、兄妹はそれぞれのこれからと向き合うことになる。安田は表情を動かさない兄役を丁寧に演じる。その静けさを受け、感情の発露を担うのがのんだ。のんの芝居の特徴は、役になりきるのではなく、代弁者として物語を的確に伝える点にある。大いに泣き、笑いながらも、薄皮一枚隔てたような抑制を利かせるため、安田のたたずまいと絶妙な均衡を保つ。
善良な気遣いが時に傷つける機微
善良な気遣いや優しさも、時に誰かを傷つける。その機微を、2人が温かく紡ぐ、静かな感動作だ。監督は小林聖太郎。上映時間は1時間58分。
「マイ・リトル・クイーンズ」も公開
同じく公開中の作品として、映画「マイ・リトル・クイーンズ」が21日から全国順次公開されている。1990年代初頭のペルーを舞台に、深刻な経済危機と過激派によるテロに見舞われる中、母エレナが2人の娘を連れて米国への移住を決意する。出国には離婚した元夫の渡航同意書への署名が必要で、娘たちは疎遠だった父親と再会を果たす。娘たちを「女王さま」と呼び、ご機嫌取りに悪戦苦闘する父親の姿が描かれる。
ペルー生まれで、同国のほかスイス、米国でも育ったクラウディア・レイニケ監督が自身の幼少期の経験を基に製作した。子供・若者向け作品を対象としたベルリン国際映画祭のジェネレーションKPlus部門で最優秀作品賞を受賞した。スイス、スペイン、ペルー合作。上映時間は1時間44分。



