あべ静江さん、脳梗塞から生還 プロデューサーの「救急車だ!」が歌手生命救う
あべ静江さん、脳梗塞から生還 プロデューサーの一言が命救う

三重県松阪市出身の歌手・あべ静江さん(74)が、2022年3月に脳梗塞を発症した。異変に気づいた番組プロデューサーが「救急車だ!」と叫び、収録を中止。迅速な判断が歌手生命を救った。あべさんは歌手人生50年を超え、現在も全国各地でステージに立つ。

異変は収録前の早朝に

2022年3月19日未明、あべさんは通販番組収録のため午前8時に都内スタジオに入る予定だった。男性マネジャーが午前4時頃に3度電話を入れたが応答がなく、自宅に急行すると、テーブルに買ってきた飲食物が放置されていた。普段はきれいに片付けるあべさんだが、マネジャーには「散乱している感じ」に見えた。

しばらくしてあべさんが寝室から起きてきたが、ろれつが回っていなかった。連絡を受けた女性チーフマネジャーも駆けつけ、「おはよう」と声をかけると、「何しに来たの」と不機嫌な顔。化粧を始めると、顔全体に茶色のシャドーを塗り始めた。違和感はあったが、病気を疑うほどではなかったという。

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主治医の電話が決め手に

午前8時前、あべさんは身支度を整えスタジオへ。撮影開始直前の午前10時半、主治医から電話が入った。女性マネジャーが朝の様子を説明すると「脳梗塞の疑いがある」と指摘。番組プロデューサーに代わり主治医が説明すると、プロデューサーは大声で「おい、救急車だ!撮影はキャンセル」と周囲に告げた。「収録より命」を優先した判断が、あべさんの歌手生命を救った。

あべさんは「やっかいだったのは私が倒れていないこと。倒れていればすぐに救急搬送されたでしょうが、不機嫌でも一応、普段と同じ動きをしていた。周囲の判断を一番難しくしたのかもしれない」と振り返る。女性マネジャーが医師から聞いた話では、医師でも脳梗塞に慣れていなければ「酔っている」と感じることはあるという。

前日にも異変

実は前日の18日にも異変があった。あべさんは女性マネジャーと美容室に行き、3時間過ごしたが、出されたお茶やコーヒーにまったく手をつけなかった。店がジュースに替えても反応は同じで、美容師は「そこだけがおかしかった」と話した。

当時は新型コロナが猛威を振るっており、救急車は搬送先が決まらずしばらく待機。あべさんは「早く病院に行かなければという判断力はあった」と、この場面だけ鮮明に覚えているという。1時間後、救急車は東邦大学医療センター大橋病院に向かった。

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