山形の高校eスポーツ部、全国8位から日本一へ 部員97人で挑む
山形の高校eスポーツ部、全国8位から日本一へ

JR山形駅から北西へ1キロ余り。閑静な住宅街にたたずむ惺山高校の校舎の一角に、真新しいパソコンがぎっちりと並ぶ部屋がある。放課後、生徒たちが続々と集まり、パソコンを起動し、マイク付きヘッドホンを着ける。「練習、始めます。集中していきましょう!」という声が部屋に響く。ここは、私立惺山高校eスポーツ部の活動拠点だ。

部員97人、校内最多のeスポーツ部

コンピューターゲームの対戦を競技ととらえ、部活動として取り組む惺山高校eスポーツ部。部員数は校内の部活動で最多の97人に上る。腕を磨いているのは、世界大会もある対戦型シューティングゲーム「VALORANT(ヴァロラント)」だ。仮想の街に爆弾を仕掛けて起爆させたい攻撃側と、阻止したい防御側の2チーム計10人が、さまざまな能力や武器を持つキャラクターを操って戦う。

キーボードやマウスでキャラクターを操作するだけでなく、見えない敵の位置や動きを考え、味方と議論して作戦を練る情報戦だ。「じっくり、冷静に」と張り詰めた空気になったかと思えば、「いけいけ!」と激しい攻防を繰り広げる。勝ったチームはハイタッチをして喜び、負けたチームは「連携できてなかった。次、修正しよう」と反省点を洗い出す。これが成長の鍵だという。

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東北ブロック2連覇、全国8位の実績

高校生が対象のeスポーツ大会では、東北ブロックで2連覇中。2025年の全国大会では515チーム中8位に入った。部長を務める3年生の菖蒲凰介さん(17)は「チームワークはどこにも負けない。目標は日本一です」と力を込める。

中心になって指導するのは起業家の管悠南さん(19)。eスポーツ部の卒業生だ。すっかり日も暮れ、生徒たちが帰宅した後、管さんは感慨深げに言った。「まさかここまで来られるとは」。3年前は部員10人ほどの「IT部」だったという。

IT部からeスポーツ部へ、急成長の背景

惺山高校にeスポーツ部が発足したのは3年前。当初は「IT部」として活動していたが、生徒の要望でeスポーツに特化した部活に転換した。管さんは当時から中心メンバーで、卒業後もコーチとして後輩を指導している。部の急成長の背景には、生徒同士の連携と、地域の企業からの支援がある。真新しいパソコンは、地元企業の寄付で整備されたものだ。

部員たちは週5日の練習に加え、自主練習も欠かさない。戦略会議では、ゲーム内のマップをホワイトボードに書き出し、敵の動きを予測する訓練を行う。菖蒲部長は「ゲームの技術だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決力も身につく」と語る。

日本一への道のりと今後の展望

全国8位の成績を受けて、部の士気はさらに高まっている。管さんは「次の全国大会では優勝を狙える実力がついてきた。あとはメンタル面の強化だ」と話す。部員たちは夏休みも返上で練習に励み、秋の東北大会での連覇と、冬の全国大会での日本一を目指す。

惺山高校のeスポーツ部は、地方の私立高校から全国に名を轟かせる存在へと成長しつつある。菖蒲部長は「僕たちの挑戦は、eスポーツが単なる遊びではなく、真剣な競技であることを証明したい」と意気込む。

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