『eFootball』開発者が語る、サッカー日本代表の成長と選手能力値調整の苦労
『eFootball』開発者が語る、日本代表の成長と能力値調整

FIFAワールドカップ北中米大会が11日に開幕し、サッカー日本代表は15日にオランダと初戦を迎える。サッカー熱が高まる中、オリコンニュースはKONAMIの人気サッカーゲーム『eFootball』(イーフト)統括プロデューサーの田谷淳一氏にインタビューを実施。ゲーム内選手の能力値調整の苦労や、『ウイニングイレブン』発売30周年の思い出を振り返った。

『ウイニングイレブン』発売から30年「その選手らしいプレーが再現できているか」

――『ウイニングイレブン』発売から30周年を迎え、W杯が開催されます。この30年間でゲームが受け入れられた瞬間や、開発側として嬉しかった思い出を教えてください。

田谷氏: 一番嬉しいのは、当たり前のように遊ばれている光景を目にしたときです。私自身Jリーグの試合をよく観戦しますが、スタジアムに向かう電車の中で、学生が友達と『eFootball』を遊んでいる姿を見るととても嬉しくなります。また、海外イベントで現地コミュニティと話す機会があり、プレイステーション2時代から『ウイニングイレブン』を遊んでいた方が来場したり、そのお子さんがeスポーツ選手として世界大会に出場していたりと、世代を超えた繋がりを実感します。シリーズを30年続けてきたからこそですね。

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最近Nintendo Switch 2で発売した『eFootball Kick-Off!』は、これまでのノウハウを活かし、以前『ウイイレ』を遊んでいた親世代が子どもと一緒に楽しめるタイトルを目指しました。娯楽だけでなく、サッカーを楽しむ入り口としてプレーしてもらえれば幸いです。

能力値調整のプロセス「データとプレー感覚のすり合わせ」

――『eFootball』の開発において、選手の能力値やチーム総合力のバランス調整は難しいと思います。どのように数値を決定・調整しているのでしょうか?

田谷氏: スポーツのデータ化は近年非常に進歩しています。『eFootball』でも、世界中の実際の試合スタッツや選手のプレー傾向などデジタルデータをベースにしています。ただし、数値だけで決めるのではなく、実際の試合を観てドリブルやフェイントのテクニック、シュートの弾道、ポジショニングなどを確認し、「プレースタイル」や「スキル」といった特徴を付与します。最終的には開発チーム内で何度もゲームをプレーし、「その選手らしいプレーが再現できているか」を重視。数値が正しくてもプレーして「らしくない」と感じれば調整します。このデータとプレー感覚のすり合わせを繰り返して決定しています。

ゲームでも実感する日本代表の成長

――30年前と比べ、海外で活躍する日本人選手が増え、代表戦では強豪国に勝利するなど、「日本のW杯優勝」も夢物語ではありません。ゲーム開発側として、日本代表の強さはどのように変化しましたか?

田谷氏: サッカーは年々進歩しており、最も大きく変化したのは選手の身体能力の向上と、それによる全体のプレースピードの上昇です。海外クラブの試合では、ゲームを上回るスピードで攻守が入れ替わる場面も見られます。そうした流れの中で、海外の強豪クラブでプレーする日本人選手も増えました。彼らはベースの身体能力も向上していますが、特に日本人選手はテクニックに秀でており、トラップやパスの能力は強豪国の選手にも引けを取りません。どのポジションにも高い技術と判断力を備えた選手が揃い、ゲーム開発の視点でも、特定の能力だけでなく「総合的な完成度」が年々上がっていると実感します。

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能力値調整が難しい選手は?

――KONAMIの野球ゲームでは大谷翔平選手の能力値調整に苦労していると聞きます。日本代表選手で調整が難しいのは誰ですか?

田谷氏: ドリブルが得意な久保建英選手のような特徴のある選手はゲームで表現しやすいです。上田綺世選手のようにフィジカルが強い選手も同様です。一方、鎌田大地選手のように試合の流れを見ながら良いポジションを取り、ここぞという場面で決定的なプレーをするタイプは、ゲームで表現するのが難しい。パラメータ設定だけでなく、ゲーム内のAIと組み合わせて彼のプレーの「すごさ」を再現できるよう努めています。