デザイナー小塚信哉、ミラノで「懐かしい未来」の2027年春夏コレクション 通学路で聞いたミスチル「口笛」と方南町
小塚信哉、ミラノで「懐かしい未来」のコレクション 通学路のミスチルと方南町

6月のミラノ・メンズファッションウィークで、デザイナー小塚信哉(40)が2027年春夏コレクションを発表した。先シーズンのフィレンツェに続く海外でのランウェーショーで、彼が描いたのは「家から徒歩30分」の景色だった。

ミラノで表現した「家から徒歩30分」の世界

強い日差しが照りつける会場に、ミントグリーンの風が吹き抜けた。スズメのモチーフ、夕暮れに染まる浜のドローイング、空気をはらんで膨らむ布。裸眼のぼやけた視界に着想したというコレクションは、水彩画のように美しくにじむ色彩の中に、ノスタルジックな詩情が満ちていた。

特に印象的だったのは、ミラノでのショーでありながら、日本らしいありふれた集合住宅のある風景を織り込んだジャケットだ。東京都杉並区の方南町の景色を、小塚自ら撮影したという。

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通学路で聴いたミスチル「口笛」の記憶

小塚は冬に地元の大阪に帰省し、小学校からの友達と飲んだ。「こういう小さい同窓会もいいもんだなと思って、昔の自分と同窓会をしながら、眼鏡をかけずに実家近くのコンビニまで歩いた」と振り返る。

道中で思い出したのは、中学時代の通学路でよく聴いていたMr.Childrenの「口笛」と、そのCDジャケットに印刷されていた知らない景色。東京に戻って検索してみると、その景色は現在の自宅から歩いてわずか30分、方南町であることがわかった。

「懐かしい未来」の哲学

「『新しい』ってみんな言うけど、新しさの定義って? かつて自分が衝撃を受けたもの、新鮮に感じたものを、年を取っても求め続けているだけなのでは」と小塚は語る。それは「新しい過去」を繰り返すことで「懐かしい未来」を作る営みだという。

「僕が作った懐かしい未来を若い世代の人たちが見て、それがその人にとっての新しい過去になれば一番いい。僕がミスチルの曲に衝撃を受けて服を作っているように」と述べ、自身が「楽しくも面白くない」時期を超えてきたことも明かした。

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