Web句会第31回「SNS」入選者発表、秀逸は「フォロワーは増えても友は減っていく」
Web句会「SNS」入選者発表、秀逸はフォロワー増え友減る

読売新聞オンライン(YOL)の「Web句会」第31回の入選者が決まった。テーマ「SNS」に寄せられた3122句の中から、片山一弘編集委員が秀逸を選出した。

秀逸句「フォロワーは増えても友は減っていく」

今回のテーマは「SNS」。1540人から3122句が寄せられた。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、ユーザー同士がコミュニケーションをとれるインターネット上のサービス。インスタグラム、フェイスブック、LINEなどが代表的で、日本ではツイッター(現X)が2008年に日本語サービスを開始した頃から知られるようになった。十数年の歴史があるが、SNSになじみの薄い投稿者も多く、ネガティブな面に着目した句も目立ったという。

肯定的な句としては、「距離越えて推しが同じで友が増え」が挙げられた。同好の士と知り合う機会が増え、仲良くなれるのはSNSの良いところだと評している。また、「卒業後連絡できる手段だな」については、片山編集委員自身もフェイスブックやLINEを中学高校の同級生や元同僚との連絡手段として重宝していると述べた。

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SNSが人生の伴走者に

仲間同士でSNSを長く使っていると、「亡き友のアイコンが来る七回忌」のようなことも起きる。友達の誕生日を通知してくれるSNSでは、亡くなった後もアカウントを消していない友人を思い出す機会になり、ここまでくるとSNSは人生の伴走者とも言えそうだとしている。

「投稿後何度も見ちゃう通知欄」については、もともとの知り合いとの通信手段だけでなく、未知の人とコミュニケーションが取れるのもSNSの楽しみだと指摘。投稿に対する返信や「いいね!」などの反応が気になって確認してしまう経験は誰しもあるのではないかと述べた。それが「名も知らぬ誰かの言葉に背を押され」と励みになることもあるという。

SNSの負の側面と注意喚起

良いことばかりではないのも事実だ。「気がつけば同じ意見の人ばかり」という句は、インターネットの検索サービスやSNSがユーザーの発言や行動を分析し、好みそうな情報を推奨する「エコーチェンバー」現象を指す。ネットで自分の目に映るものが必ずしも世の中を代表しているとは思わないことが重要だとしている。

良くも悪くも特定の情報が猛スピードで拡散されやすい傾向もある。「拡散の速さに真実追いつけず」となりがちで、間違った情報もあっという間に広まる。普通の人が良かれと思って拡散に協力してしまうことも多いため、未知の情報を見かけた時は慌てて反応せず、本当かどうかを確かめる習慣をつけるよう呼びかけている。「まあ少し待てば新聞記事となる」という句のように、特に怒りの感情をかき立てる情報には注意が必要だとしている。

気になった情報の出所を自分で確かめるようにすれば、「情報源たどれば消える砂の城」と自分で気づくことも増えてくるという。他人が出した情報に反応するだけでなく、自分自身で積極的に発信するようになると、別の落とし穴も待っている。発信への反応を増やすことが目的になると、内容が過激になりかねない。注意喚起と自戒を込めて、秀逸に選ばれたのが「フォロワーは増えても友は減っていく」という句だ。

次回テーマは「夏の飲み物」

Web句会の次回テーマは「夏の飲み物」。締め切りは9月13日。応募は専用ボタンから受け付けている。

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