開館1世紀の歩み振り返る特別展「昭和と金沢文庫」横浜で開催中
開館1世紀の歩み振り返る特別展「昭和と金沢文庫」

鎌倉時代の武家文庫の復興を目指して設けられた県立金沢文庫(横浜市金沢区)で、開館から1世紀近くの歩みを振り返る特別展「昭和と金沢文庫」が開かれている。所蔵品など約50点の展示を通じて、中世史専門の歴史博物館が生まれた経緯や活動の変遷を概観できる。

建設構想から開館まで

金沢北条氏が集めた和漢の書籍(金沢文庫文書)と、地元の称名寺に伝わる貴重な仏典(称名寺聖教)を保存し、歴史研究を続ける同館。その建設構想は、昭和天皇の即位記念事業として当時の池田宏・県知事が打ち出した。

資金確保が課題だったが、出版界で活躍した実業家・大橋新太郎氏が多額の寄付を申し出たことで計画が具体化。館は1930年(昭和5年)、称名寺の境内に開設された。会場には池田知事と大橋氏が交わした契約書が展示され、新設する施設について「神奈川県ノ経営ト為シ永久ニ維持スルコト」と記している。

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発見された貴重な品々と戦時中の対応

展示品のうち、最古の連歌の記録とされた「連歌懐紙」(国重要文化財)や平安の儒学者が残した「『新猿楽記』断簡」(国宝)は、館開設から間もなく発見されて話題を集めた品々だ。

戦争の関連では、館の貴重品の避難場所として掘った横穴(非常時倉庫)の概略図を展示。爆風の直撃を避けるために坑道が途中で直角に曲がっているのがわかる。館は戦時中、国威発揚のために本の貸し出しを行っており、配送用に使われた蓋付きの四角いカゴには「貸出文庫」と大きく書かれている。

戦後の歩みと開催概要

戦後の歩みでは、館の老朽化を受けて現在の新館が90年(平成2年)に開館するまでの経緯を紹介。建設予定地での発掘の写真などを見ることができる。

9月13日まで。月曜休館。観覧料は20歳以上400円など。

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