人口わずか27人の離島・男鹿島に、50年以上続く海の家「中村荘」がある。5カ月間で約1500人が訪れるというこの島の海の家には、1億円を超えるクルーザーで来る客もいるという。なぜ、こんな小さな島の海の家がこれほど愛され続けているのか。その秘密を探るため、筆者は実際に島を訪れた。
中村荘の釣り堀体験
中村荘の魅力の一つが、併設された釣り堀だ。筆者も実際に釣りを楽しんだが、釣り堀にはたくさんの魚が泳いでおり、初心者でも簡単に釣れる。釣った魚は、中村荘に頼めばその場で調理してくれる。料金は調理方法によって異なるが、おおよそ500~1500円ほどだという。
「もうこれでいいや」で終わらせる中村さんの人柄や、島ののびのびとした空気感に、筆者はほっこりとした気持ちになった。
常連客との絆
中村荘は、人と人との繋がりを大切にしながら営業を続けてきた。常連客の中にはお土産を持参してくれる人、子供の頃から通い続けてくれる人、夏は毎週のように来てくれる人もいる。筆者が訪れた際は、偶然「運送屋さん」が島に来ていたが、まるで友達のように中村さんと会話しており、都会で失われた“大切な何か”を感じさせる光景だった。
有名人も訪れる島
中村さんによると、男鹿島には有名人もたまに訪れるという。過去には元プロ野球選手の福留孝介さん、女優の高島礼子さん、ロックバンドのエースコレクションの方々などが来島した。さらに、参院選の時は元明石市長の泉房穂さんが選挙活動で一番に訪れたのが男鹿島だったという。
「泉さんからは“また来るわ”と言われて、その時はリップサービスかなと思ったんですけど、後日ほんとにいらっしゃって中村荘でカレーを食べてました(笑)」と中村さんは語る。
無人島を目指す冒険者たち
中村荘は、近くにある無人島に行くための経由地としても利用されている。少し前には、ちょっとぽっちゃりした男性が無人島で1カ月暮らすと旅立っていったという。中村さんは毎朝連絡を取り合い、心配しながら見守っていた。1カ月後、その男性はめちゃくちゃスリムな体型で戻ってきた。お疲れ様の意味を込めてチョコレートを渡したら、ものすごく喜んでいたそうだ。
来島する際の注意点
男鹿島への来島には注意点もある。島へのアクセスは限られており、事前の準備が必要だ。また、島には宿泊施設が限られているため、事前予約が推奨される。しかし、それでも多くの人がこの島を訪れるのは、中村荘の温かいおもてなしと、島ならではのゆったりとした時間が流れているからだろう。



