御殿場わらじ祭り復活15年、全長3メートルの大わらじが女性に担がれ富士登山安全祈願と良縁成就を祈る
御殿場わらじ祭り復活15年、全長3メートルの大わらじが女性に担がれ富士登山安全祈願と良縁成就を祈る

8月2日、御殿場市で「御殿場わらじ祭り」が開催される。復活から15年目を迎える今年も、全長3メートル、幅1.2メートル、重さ80キロの大わらじが女性たちに担がれ、市内を練り歩く。この大わらじには、富士登山の安全祈願と良縁成就の願いが込められている。

二宮尊徳に由来する伝統

大わらじの由来は、江戸後期の農政家・二宮尊徳にある。1833~35年に御殿場地域が大凶作に陥った際、二宮尊徳が救済策として女性たちにわらじ作りを奨励した。東海道の難所「箱根八里」を越えるには4、5足のわらじが必要だったことから、女性たちの収入源となったという。二宮は12の村落で優秀な作り手を一人ずつ選び、男女1対のわらじを作らせて神社に奉納し、五穀豊穣と縁結びを祈願した。選ばれた12人の女性はその年に良縁に恵まれたと伝わる。

この言い伝えをもとに、1971年から大わらじが製作されるようになった。しかし、1991年に担い手だった御殿場青年団が解散すると、大わらじも作られなくなった。

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復活への道のり

復活のきっかけは、青年団長経験者の杉山和男さん(70)が当時の市長から「わらじ祭りをもう一度やってほしい」と依頼されたことだ。杉山さんは「そんなの無理だ」と断ったが、「心のどこかに、もう一度やらないといけない、という思いがあった」と振り返る。

2012年5月、杉山さんは青年団の同窓会を開催。集まった20~30人の仲間に「実は……、大わらじ祭りを復活させたいという話が来ている」と告げると、「やってみよう」の声が上がった。昔の資料を基に編み始めると、仲間の輪が広がり、約1か月で1対の大わらじが完成。女性の担ぎ手は市役所や農業協同組合などに依頼して集め、夏祭りで500メートルほど練り歩いた。杉山さんは「大わらじを知っている人が多く、見物客も感動していた」と語る。

15年の継続

その後、コロナ禍を経ながらも、2012年に結成された御殿場わらじ祭り保存会によって大わらじ作りは続けられている。杉山さんは「御殿場のシンボルとして大わらじはなくてはならない」と話す。保存会顧問の杉山さんは「祭りのためならいくらでも頑張れる。もっと大きく夢のあるものになってほしい」と願う。

大わらじは毎年5月から作製され、7月の富士山開山に合わせて新橋浅間神社に奉納。8月の夏祭りで担がれた後、富士山閉山後の9月の供養祭で感謝を込めて燃やされる。

問い合わせは、御殿場わらじ祭り実行委員会事務局(0550-83-4770)へ。

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