クリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』(9月11日公開)から、主人公オデュッセウスの息子・テレマコスを演じるトム・ホランドに焦点を当てた特別映像が公開された。剣と盾を使ったアクションリハーサルや、断崖絶壁での撮影風景が収められている。
父を探す旅とテレマコスの成長
本作は、古代ギリシャの詩人ホメロスによる叙事詩を映画化したスペクタクルアドベンチャー。トロイア戦争を終えたイタケの王オデュッセウス(マット・デイモン)が、家族の待つ故郷を目指す長い旅を描く。ホランドが演じるテレマコスは、オデュッセウスと妻ペネロペ(アン・ハサウェイ)の一人息子。父の不在が続く中、イタケでは求婚者たちがペネロペに結婚を迫り、国を我が物にしようとしていた。母と故郷を守るため、テレマコスは父の消息を求めて旅立つ。父を知らずに育った青年が、数々の試練を通して成長していく姿も物語の軸となる。
アクションへの意気込みとノーラン監督の演出
公開された特別映像には、『スパイダーマン』シリーズの印象も強いホランドが、ホテルのプールサイドに広がる芝生の上で剣と盾を構え、殺陣のリハーサルに臨む姿が映し出されている。筋骨隆々な佇まいから繰り出される一振りには重みが感じられる一方、カメラに向けられる笑顔は爽やかそのもの。映像の中でホランドは、「テレマコスにとって重要なシーンなんだ。父親を捜す旅に出るきっかけになるからだ」と、この重要な撮影に臨む意気込みを語っている。
実際の撮影は、イタリアのファヴィニャーナ島にあるサンタ・カテリーナ城で行われた。山道を約1時間登った先にある断崖の岩場まで、スタッフがIMAXカメラを運ぶ様子も映し出される。そんな険しいロケーションで、重厚な鎧をまとい、何度もアクションを繰り返すホランド。ノーラン監督の演出について、ホランドは「多くの監督は褒めてすぐに撮影に入る。でもノーラン監督は人物の心の動きも問うてくる。アクションでも細部にこだわるところが、彼の偉大さを表している」と語っている。
ノーラン監督が絶賛した身体能力
ホランドがノーラン監督作品に出演するのは今回が初めて。ノーラン監督は以前からホランドの才能や活躍に注目していたそうだが、プロデューサーのエマ・トーマスは、「トムがあれほど高い身体能力の持ち主だとは想像していなかった」と振り返る。テレマコスは肉体的にも人間的にも成長途中にあるという設定だが、ホランドの動きがあまりに優れていたため、ノーラン監督が「テレマコスはまだそのレベルに達していないから、少し抑えていこう」と指示したこともあったという。
一方、ホランドにとって課題となったのは、マスクを着けず、表情を見せながら高度なアクションを演じることだった。「マスクをかぶって戦闘シーンを演じることに慣れていて、そういう面はあまり考えたことがなかった。どうすれば派手なアクションの中に、もっとリアルな芝居を落とし込めるかを学ばなければならなかった」と明かす。
ノーラン監督は、ホランドのアクションについて「立ち回りを素早く、無駄なくこなすだけでなく、何日も繰り返し再現できなければならなかったが、持ち前の能力の高さでやり切ってくれた」と称賛している。撮影を終えたホランドも「僕が彼らの撮影スタイルや現場の進め方に慣れるまで、十分な時間を確保してくれた。本当に素晴らしい体験になった」とコメント。『スパイダーマン』とは異なる、生身の剣劇アクションと青年の成長をどのように表現しているのか注目される。
同作は全米を含む世界各国で7月17日より公開され、全米映画ランキングで2週連続1位を獲得。8月9日時点で世界興行収入11億480万ドルを記録し、ノーラン監督作品として過去最高を更新している。



