岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』(1996年)が、監督完全監修のもと4KリマスターおよびDolby Atmos化され、『スワロウテイル 4Kリマスター』として9月4日よりTOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開される。公開から30周年を迎えるにあたり、出演者の三上博史、Chara、伊藤歩からメッセージが寄せられた。
公開30周年を迎える名作
公開当時33歳の岩井監督にとって、『Love Letter』(1995年)に続く長編映画第2作。かつて“円”が世界で最も強い通貨だった頃の架空都市を舞台にした物語で、移民たちが“円都(イェンタウン)”と呼ぶ街で、母を亡くした少女と、歌手を夢見て上海からやって来た娼婦グリコら移民たちの生きざまを描く。
英語、中国語、日本語が入り交じる無国籍な世界観の中、三上、Chara、伊藤をはじめ、江口洋介、アンディ・ホイ、渡部篤郎、山口智子、大塚寧々、桃井かおりらが共演。スタッフには撮影の篠田昇、照明の中村裕樹、美術の種田陽平らが集結し、小林武史が音楽監督を務めた。劇中バンド「YEN TOWN BAND」の「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」などの楽曲も大きな支持を集めた。
出演者が語る作品への思い
今回劇場公開される4Kリマスター版は、2025年の「東京国際映画祭」で上映されたバージョンに、さらにブラッシュアップを重ねたものとなる。上海出身のヒオ・フェイホンを演じた三上は、本作を30年ぶりに鑑賞したといい、「初号試写では、オープニングから涙が止まらなくて。静かに熱いものがブワーっと出てくる感じで、エンドタイトルまでずっと泣きっぱなしでした。この涙の理由はなんなのか。それを一つずつ検証していくいい機会になりました」とコメント。
4Kリマスター版については「オリジナルよりもはっきり見えてくるものもあります」といい、「映像面で美しくクリアになったこと、当時とは僕自身の見方、視点も違っていることもあるのか、フェイホン、グリコ、アゲハたち一人ひとりのお話がすごくよかったなって。それぞれの物語の筋がすごく綺麗に見えた感じがあります」と語った。さらに「公開から30年経った映画が全国公開されるというのは、本当に奇跡みたいなこと。岩井監督をはじめ、いろいろな人のこだわりと想いが詰まった贅沢な作品です。ぜひ、この機会に、触れていただけたらうれしいです」と呼びかけた。
Charaと伊藤歩のメッセージ
歌手を夢見る娼婦グリコ役のCharaは、アゲハ蝶の幼虫を保護し、羽化するまでを見届けたというこの夏の体験を重ねながら、撮影当時を振り返った。「あの時、撮影だったとはいえ映画の中に生きるっていう感覚?私は忘れていたけど、岩井俊二という人は、多分なんだけど、私を蝶に変えてくれたんだろうな~と、ふと思う夏です」とつづった。
フェイホンとグリコと出会い大きく人生が変わっていく少女アゲハ役の伊藤は「映画の中に生きるアゲハと同じように、この映画は私の人生を大きく変えてくれました」と作品への思いを告白。「どのキャラクターも愛おしく、久しぶりに出会ったアゲハは、本当に私が演じていたのかと思うほど、遠くへ羽ばたいていました」と振り返り、「30年の時を超えて、再びスクリーンに蘇る岩井俊二監督の世界を、ぜひ劇場でご覧ください」とメッセージを寄せている。



