チョン・イル×松永大司監督、日韓共同制作ドラマ『犯罪者』で初タッグ 独占インタビュー
チョン・イル×松永大司監督、『犯罪者』で初タッグ 独占インタビュー

韓国俳優のチョン・イルと松永大司監督が、7月30日に韓国・龍山で開催されたAmazon Prime Video配信ドラマ『犯罪者』第6話・第7話のプレミア上映会にあわせ、オリコンニュースの独占インタビューに応じた。本作は、日本と韓国のキャスト・スタッフが参加した日韓共同制作作品。初の日本作品出演となったチョン・イルが滝川役に感じた魅力や、松永大司監督が作品タイトルに込めた意味について語ったほか、本作の見どころや作品への思いなどを聞いた。

松永監督、『犯罪者』タイトルに込めた意味

『犯罪者』というタイトルや表記には、どのような意味が込められているのでしょうか?

【松永】『犯罪者』というタイトルが二つ重なっていて、ずれていくことに関しては、この作品をやろうと思った大きな理由の一つに、「誰が犯罪者なのか」「誰が犯した罪なのか」「どこからが罪なのか」ということを、とても考えさせられる作品だと思っています。ひとつの『犯罪者』という文字の後ろに、また違うレイヤーがあって、それがもっと大きくなっていく。目に見えている事件や罪の後ろには、実はもっといろいろなものがあるんじゃないか。後ろにあるものの方がもっと罪深いんじゃないか。僕らはこの世界で、そこまでは見えないんですよね。それを可視化したいと思って、タイトルをずらし、後ろの文字を大きくしています。

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社会の不条理をドキュメンタリータッチで描いた理由

この作品、ドキュメンタリーテイストが強い!?

【チョン・イル】僕がデビューして初めて悪役に挑戦した作品です。松永監督からオファーをいただいて原作を読んだ時、滝川という人物はとても謎めいた存在で、何のためらいもなく殺人を犯し、死んでいった人たちを当たり前のように受け入れる、人間に対する憐れみを感じない人物だと思いました。なぜ滝川がそのような人物なのか、自分なりの答えを見つけようと考えました。滝川が通り魔事件を起こすところから物語は始まりますが、僕なりには、その人物像に対する答えを見つけました。視聴者のみなさんは、これから作品をご覧になってそれぞれ感じることがあると思います。ぜひ、みなさんなりの答えを探してみてほしいです。

【松永】台本では、オープニングで描かれる通り魔事件のショットは、ラストショットと同じアングルで撮っているんです。台本では本当にスローモーションで撮るような細かい描写で、滝川が5人を刺していく内容だったんです。ただ、僕は「人ってもっとあっさり殺されてしまうんじゃないか。それが怖い」とずっと思っていました。それを表現するには、定点カメラで、あたかも何かを目撃してしまったような感覚になったらいいなと思って、そのアングルにしました。撮影はめちゃくちゃ大変で、刺される役者さんや被害者役のみなさんも、かなりリアルに刺されたリアクションをしなければいけないんです。アクションって見せるためのものなので、どうしてもリアクションが大きくなってしまうんですが、そこはあえて抑えました。観ている人たちが「あ、死んじゃった」と思うくらい、あっさり死んでしまう。その後、エピソードがどんどん積み重なっていく中で、罪の重さや事件の実態というものを分かってもらえたらいいなと思ったので、最初はあえてドキュメンタリー調の殺人現場にしました。

チョン・イル、滝川役に惹かれたポイント

滝川という役柄について、どのような部分に惹かれましたか?

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【チョン・イル】僕もこの脚本を読んで、滝川という人物にとても興味が湧きました。普通に殺人を犯して、そういった殺人を続けながらも感情の変化が全くない。この人物は、どうしてこんなに犯罪を続けても普通の顔をしているんだろうという疑問を感じながら、原作を読んで滝川というキャラクターを分析しました。実は原作とドラマの滝川は全く違っていて、ドラマでは物語の展開に伴って細かい変化を見せます。ちょっとネタバレになるかもしれないんですが、緑色の手袋がヒントになります。何も感情を持たない滝川が、少しだけ感情を見せる展開があるんです。緑色の手袋が登場するシーンはとても多いんですが、その手袋に触れながら、些細な心の変化を見せる滝川に注目していただけたら、より楽しみながら観ていただけるんじゃないかと思います。あと一つ、滝川が真崎(内野聖陽)を探しにホテルへ行くシーンがあるんですけど、緑色の手袋を見つけて、自分がはめていた手袋を外し、その緑色の手袋を手に取るシーンがあります。滝川はプロの殺し屋なので、本来は指紋を残すようなことはしないんです。それなのに、自分の手袋を外して緑色の手袋に触れる。その場面で、滝川の感情の変化が見えてくるんですよね。少したくさん話しすぎましたかね(笑)。僕が話した内容でネタバレになりそうだったら、編集してくださいね!

松永監督が語る、お気に入りのシーン

お気に入りのシーンを教えてください。

【松永】すごく気に入っているシーンは、第7話で中迫(ユースケ・サンタマリア)が飛び降りるところのネタバラシをしたあと、滝川が飛び降りていった人間や、殺された真崎のことを車の中で服部(ソウジ・アライ)と話すシーンです。あそこの滝川は僕も抜群にいいと思っていて、この第7話の中で唯一カメラ目線をするんです。誰か一人だけカメラ目線のワンショットを撮りたいと思っていたんですけど、撮っていくうちに「これは滝川がいいな」と思って、車の中で話しているシーンをカメラ目線で終わるようにしました。この場面は非常に難しい芝居で、芝居と言っていいのかも分からないんですけど、チョン・イル自身もすごく悩みながら演じてくれました。完成した映像を見た時に、「本当にチョン・イルに滝川を演じてもらって良かったな」と思いました。