ドラマ『銀河の一票』が視聴者の心を掴んだ理由、考察や刺激的展開ではない
ドラマ『銀河の一票』が視聴者の心を掴んだ理由

黒木華と野呂佳代がタッグを組む異色の選挙エンターテインメントドラマ『銀河の一票』(カンテレ制作)が、今期最高作との声も上がるなど視聴者の心を掴んでいる。その魅力は、考察要素や刺激的な展開ではなく、むしろ別のところにあるとコラムニストの木俣冬氏は指摘する。

信頼できるプロデューサーと脚本家のタッグ

本作のプロデューサーは佐野亜裕美氏。彼女は『エルピス‐希望、あるいは災い‐』(2022年、フジテレビ系)や『カルテット』(2017年、TBS系)など、数々の人気作を手がけてきた実績を持つ。いずれも渡辺あや、坂元裕二といった信頼性の高い脚本家と組んでいることが特徴だ。

脚本家は蛭田直美氏。原作ものではあるが『舟を編む』(2024年、NHK)で、お仕事ものとチームものの魅力を存分に描ききり高い評価を得た。また、社会派ドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(2025年、フジテレビ系)ではメインライターではなかったものの、彼女の担当回の評判が特に良かった。

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脚本家の力量が光る

『日本一の最低男』のプロデューサー・北野拓氏は、蛭田氏の脚本について次のように語っている。「社会派エンタメドラマを作るにあたって、取材を丁寧に行うことは大前提ですが、それをエンターテインメントに昇華するには脚本家の特別なチカラが必要になります。取材はできても、僕にはセリフは書けません。エンタメに昇華するには脚本家さんの圧倒的なセリフや構成力が必要です。蛭田さんは、誰も傷つけない、誰も否定しない、繊細で優しく、温かなまなざしを持っていらっしゃって、すべての登場人物に愛情を持って書かれているのを感じます」

刺さるセリフの数々

蛭田氏が本作で書き上げたセリフは、どれも決して浮ついていない。「政治の話じゃないです。私たちの話です」「きれいごとじゃないよ。きれいなことだよ」「生きて!」「何のため?」「念のため!」「殺傷能力あるじゃないですか、1人だなって気持ちって」。これらのセリフは、視聴者の心に深く刺さる。

チームもののニーズにも応えた

本作は選挙をテーマにしながらも、単なる政治ドラマではない。主人公たちがチームとして成長していく姿が描かれ、現代の視聴者が求める「チームもの」の要素をしっかりと押さえている。これにより、幅広い層からの支持を集めている。

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