ワールドカップのハーフタイムショーに登場したマドンナは、67歳とは思えないパフォーマンスで健在ぶりを見せつけた。しかし、その背後には大病を乗り越えた壮絶な経験や、若い頃とは異なる肉体との向き合い方がある。
伝記映画の挫折と新たな挑戦
マドンナは、自身の伝記映画の企画が頓挫した悔しさを、Apple TVのシリーズ「ザ・スタジオ」第2シーズンでネタにすることにした。彼女は、企画がボツになってフラストレーションを感じている自分自身を演じる。
このシリーズは、セス・ローゲンがクリエイターと主演を兼任し、ハリウッドの実情をリアルかつブラックユーモアたっぷりに描いてエミー賞など重要な賞を総なめにした傑作。第1シーズンにはマーティン・スコセッシ、ロン・ハワード、オリヴィア・ワイルドらが自分役で登場している。
マドンナにとってはコメディの才能を見せるチャンスであり、自虐的なギャグで笑わせることができれば女優としての評価も高まる。また、この不条理な状況を広く知らしめ、どこかから助け舟が現れて再び企画に勢いがつくことを期待しているのかもしれない。
大病を乗り越え、ワークアウトも控えめに
3年前、マドンナは世界ツアーを前に重度の細菌感染症を患い、集中治療室で数日を過ごすという恐ろしい体験をした。その際、過去に親権問題で揉めたロンドン在住の長男ロッコを含め、6人の子どもたち全員が病院に駆けつけた。その後、健康を取り戻しツアーを完了したが、人生のはかなさを思い知らされた。
最近の彼女は、ワークアウトも以前ほど激しくはしていないという。「長年、ハイヒールでダンスをしたり、コンクリートの上でランニングをしたり、アシュタンガヨガを練習したりして、膝を悪くした」からだ。60代とは思えない肉体を誇っていても、若い頃と同じではないシビアな現実を日々感じている。
レガシーを考える段階
マドンナは今、レガシーを考える段階にある。自ら手がける伝記映画という形で自分の人生を後世に残すのは、何にも増して理想的だ。これは最もパーソナルな大プロジェクト。これまで高い野心を掲げ成功に導いてきたマドンナが、つまずいたままのこの企画でも成功を収められるのか。そして映画が完成し、プレミアのレッドカーペットを歩く時、隣にどんな男性がいるのか。伝説のスーパースターの力が試されている。



