ビートルズに人生を捧げた75歳男性、私設博物館運営の苦闘と「世界無形文化遺産」への夢
ビートルズに人生捧げた75歳、博物館運営と世界遺産への夢

埼玉県にある「ビートルズ文化博物館」を訪れると、そこには75歳の岡本さんが62年にわたって収集した約2万点ものビートルズ関連コレクションが所狭しと並ぶ。開館から10年を迎えた2026年、この博物館は全国のファンをつなぐ文化発信拠点となっているが、運営は極めて厳しい。

私設博物館の厳しい現実と岡本さんの決意

入館料は維持支援費として300円。しかし、この金額では光熱費や建物の維持管理費すら賄えず、赤字分はすべて岡本さんの自己負担だ。さらに、2万点ものコレクションの湿度・温度管理や数カ月ごとの展示替えなど、75歳の岡本さん一人が背負う負担は決して軽くない。

「でも、僕の代で終わらせるつもりはないですね。この博物館とコレクションを、なんとかして次の世代に引き継いでいきたい。それが、僕の人生を変えてくれたビートルズへの恩返しですから」と岡本さんは無邪気に笑う。

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ビートルズとの出会いと「推し活」62年

岡本さんがビートルズと出会ったのは14歳の時。それ以来、楽しい日も苦しい日も、常に4人とともに歩んできた。「人生をビートルズに捧げていると、思いもよらない幸運が舞い込むことがあるんだなって思いましたね」と振り返る。

彼はビートルズから受け取ったメッセージ「愛・自由・平和」を、博物館だけでなく、イベント、講座、講演、制作物、著作物等を通じて伝え続けている。最近では20〜30代の若い世代の来館も目立ち、世代交代が進んでいるという。

「世界無形文化遺産」登録への挑戦

岡本さんの目下の目標は、ビートルズの音楽とその精神を「世界無形文化遺産」に登録することだ。そのために、彼らの“偉業と叡智”を網羅する『ビートルズ叡智図譜大全』と題した書籍の完成に向けて、日々制作に励んでいる。

「完成したら、ポールとリンゴに直接手渡すのが夢なんですよ」と語る。この書籍は「あとわずかで完成予定」で、別途支援金も募っている。

2026年6月29日、ビートルズは来日60周年の節目を迎える。かつて来日当日の記者会見で、「名声と富を得て、次に何を望みますか?」という質問に、ジョン・レノンとポール・マッカートニーは即答した。「PEACE(平和さ)」と。

岡本さんの次なる夢は、ビートルズ「世界無形文化遺産」登録。まだまだ現役で“推し”続けていく。

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