「受験も社会も、知識を持っているだけでは意味がない」。そう語るのは、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事で『ドラゴン桜2』編集担当の西岡壱誠氏だ。東大合格者である同氏が、「本当の頭のよさ」を身につけるための本5選を紹介する。今回は、インプットをアウトプットに変える技術と、脳科学から「頭がいい」を考える2冊を取り上げる。
インプットをアウトプットに変える技術
1冊目は、文芸評論家の三宅香帆氏による『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(新潮新書)。本書が教えてくれるのは、「インプットをどうアウトプットに変えるのか」ということだ。
現代はスマホひとつで、昔の100倍の情報を手に入れられる時代。だからこそ問題になるのは、「情報をどう読んで、どう人に伝えるか」だという。本書では、本・漫画・映画・ドラマを題材に、「比較」「抽象」「発見」などの技術を使って、どうすれば人を惹きつける話ができるのかが具体的に解説されている。
特徴的なのは、「面白い話」とは面白いエピソードがあるからではなく、「面白い解釈」ができるかどうかだとする三宅氏の仮説が軸になっている点。単なる「話し上手」の本ではなく、思考のインプットとアウトプットを循環させるための本だと西岡氏は評する。
脳科学から「頭がいい」を問い直す
2冊目は、毛内拡氏による『「頭がいい」とはどういうことか――脳科学から考える』(ちくま新書)。タイトルの通り、結局「頭がいい」とはそもそもどういうことなのかという根源的な問いに答えてくれる書籍だ。
「人生は選択の連続である」という表現があるが、本書は日常の判断や選択の場面を通して、脳の働きから「頭の良さ」を問い直していく。どうすれば「いい判断」ができるのか、その裏で脳の中で何が起きているのかを、最新の知見をもとにやさしく解説するのが魅力だ。
うわべのテクニックではなく、本質的な「考える」という営みを理解したい人におすすめの一冊となっている。次ページでは、AIも欠かせない「頭のよさ」についてさらに掘り下げる。



