『世界女帝事典』書評:世界史で見る女性君主の実像
『世界女帝事典』書評:世界史で見る女性君主

歴史学者の倉本一宏氏(国際日本文化研究センター名誉教授)が、義江明子氏、氣賀澤保規氏、井野瀬久美惠氏編『世界女帝事典』(勉誠社、5940円)を評した。昨今の女性天皇をめぐる議論が盛んになる中、歴史的事実を踏まえることの重要性を指摘している。

世界の女性君主を網羅

本書は、日本史・東洋史・西洋史の大家3人が編者を務め、第一線の執筆者79名が国・地域ごとに女性君主(女帝だけでなく、女王や執政者も含む)について解説している。

倉本氏は「無学にして、日本・中国・朝鮮の女帝くらいは知っていたが、南アジアや中央アジア、ましてヨーロッパについてはまったく無知で、いろいろ教えられることが多かった」と述べる。

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政治支配の広がり

また、足利義政正室の日野富子や、毛沢東夫人の江青まで取り上げている点について、「女帝論だけではなく、広く女性の政治支配についても論じたいという、編者の思いによるもの」と分析する。

その上で、「世界には実に様々なタイプの女性君主がいる」と驚きを語り、「日本の歴史を、とかく日本国内のみ、せいぜい東アジアの中だけで考えることが多いが、やはり中東やヨーロッパも含めた世界史の中で考えなければならない」と自らの反省を述べている。

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