IIJ(インターネットイニシアティブ)は8月7日、2026年度第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比27.1%増の976億円、営業利益は前年同期比9.2%増の65.9億円の増収増益となった。代表取締役社長は、「想定を大きく上回る売上」だと手応えを話す。
中計最終年度、3つの領域に注力
2026年度は、中期経営計画の最終年度として進行し、2027年5月に公開予定の次期3カ年中期経営計画のプランニングを同時に進める。大きな方向性としては、ネットワークサービスとソリューション領域、インテグレーション領域、ネットワーク・システム基盤領域での価値向上に努める。その結果として、2029年度に連結売上5000億円超えを展望している。
なお社長によると、インフレや円安などによって収益を圧迫する部分もあることから、来期にネットワークサービスの価格改定を予定していると明かした。ただし対象になるのは法人向けサービスで、個人向けのIIJmioは現時点で対象にはなっていない。価格改定について社長は「対象のサービスや改定の幅、増収の規模は、お客様との調整に関わるので、具体的な話は差し控える」とした。
モバイルサービス、法人回線は減少も一時的要因
モバイルサービスは、法人向けサービスが350.9万回線、IIJmioが145.3万回線、MVNEが140.2万回線に達した。法人回線は2025年度第4四半期から6.4万回線減少しているが、これは訪日外国人向け回線の大口解約があったためで、一過性のものだという。「IoT向け案件や大規模案件の需要が好調に伸びている。要因は一時的なものと受け止めている」(社長)。
個人向けでは、訪日外国人向けのデータ容量無制限のプリペイド型SIMを、2026年6月にビックカメラで提供開始したことがトピックとなる。
JALモバイル powered by ahamo提供後も、純増トレンドに大きな変化なし
IIJmioで影響が懸念されるのが「JALモバイル」だ。IIJmioでは、JALのモバイル通信サービスとして「JALモバイル powered by IIJmio」を提供しているが、6月25日からNTTドコモがahamoブランドで「JALモバイル powered by ahamo」の提供を開始した。ahamoの料金そのままで月30GBのデータ容量を利用でき、海外でも30GBまで利用できることから、IIJmioからの流出が懸念される。
社長は、JALモバイル powered by ahamoについて「JALさんとドコモさんの取り組みなので、直接的なコメントは控えたい」としながら、「我々のJALモバイル(powered by IIJmio)は大変ご好評いただいている。今後も価値あるサービスの提供を続けていきたい」と述べる。
IIJmioへの影響は「大きな影響は見られない」
IIJmioへの影響については「実は、弊社の販売に大きな影響は見られない」という。「もちろん、契約動向に一定の変動はあるが、足元の純増トレンドには大きな変化はない。7月も、6月と同様の傾向で契約純増はほぼ変わらずに推移している」。
JALモバイル powered by ahamoは、ドコモがホワイトレーベルとして通信サービスを提供するものだが、これはMVNOが得意としている領域でもある。こうしたドコモの動きはMVNOのビジネスモデルを脅かす恐れがあるが、社長は「我々が持っているノウハウがあるので、なるべくお客様も作りながら、マーケットの拡大や売上増に努めていきたい」と述べた。
ahamoの10GB増量で合計40GBにするキャンペーンや、KDDIが月額550円で電話番号を追加できる「セカンドナンバー」を始めたことについても、社長は大きな影響は及ぼさないとみる。「IIJmioでは5GBのユーザーが多く、値下げに敏感な10GB以上の比率も高まっている。価格面だけを見ると、(キャリアと)競合(きっこう)する部分はあるが、料金だけでなく、いろいろなサービス面でも充足を図っている」。



