Suica使えない専用改札に賛否「問題なく運用できる」「交通系ICの方がスムーズ」
Suica使えない専用改札に賛否 「問題なく運用できる」「交通系ICの方がスムーズ」

東京メトロと高見沢サイバネティックスは、7月31日の始発から銀座線上野駅で専用改札機の設置を開始した。クレジットカード等のタッチ決済による後払い乗車サービスである「クレカ乗車」や、「QRコードを活用した乗車サービス」に対応する改札機だ。設置場所はJR上野駅方面改札の全11通路のうち1通路となる。

クレジットカードのタッチ決済による乗車サービスを導入する東京メトロのポスター。対応する各種ブランドのカードやスマートフォンをかざすだけで乗車できる利便性をアピールしている。

実施駅や機器の仕様、利用条件

今回の実証実験における実施駅や機器の仕様、利用条件などの概要は次の通りだ。

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実施日・駅名・改札口名
銀座駅(銀座四丁目交差点改札口):7月22日開始〜
上野駅(JR上野駅方面改札口):7月31日開始〜

通路数
銀座駅:9通路のうち1通路
上野駅:11通路のうち1通路

機器タイプとデザイン・仕様
銀座駅前段(7月22日〜11月頃):白と紺基調、全長型と同等、2枚幅
銀座駅後段(12月頃〜2027年2月頃):銀色系金属色、全長型より短い「入撤去ゲートタイプ」、2枚幅
上野駅(7月31日〜2027年2月頃):明るい木目調、4枚幅

利用条件・制限
クレカタッチ決済・事前購入QRコードのみ対応
Suica・PASMO等の交通系ICカードや紙のきっぷは利用不可

導入の背景とデザインの狙い

東京メトロと高見沢サイバネティックスが専用改札機を導入した背景には、既存機とは異なる外観を採用する狙いがある。乗客が利用可能な通路や読み取り部を直感的に認識できるように工夫を施した。改札口全体で乗客がスムーズに各改札機を通過できるかを確認し、運用の課題を洗い出す目的で検証を進めていく考えだ。

銀座線上野駅の改札口に設置された木目調デザインの専用改札機。既存のステンレス製改札機とは異なる温かみのある外観を採用し、乗客が専用通路であることをひと目で認識できるよう工夫されている。

利用できるサービスと注意点

今回導入された専用改札機で利用できるサービスは、対応するクレジットカード等を改札機に直接タッチして乗車する決済と、事前にスマートフォンで購入した乗車券のQRコードを画面にかざす方式の2種類に限られる。利用者は「東京メトロ24時間券」などの企画乗車券を券売機に並ばずにスムーズに利用できる。

専用改札機の上部に設けられたクレカタッチ決済用とQRコード用の読み取り部。液晶画面や青色LEDの導入灯が配置されており、乗客がスムーズに決済媒体をかざせるように設計されている。

利用者が改札を通過する際に特に注意しなければならない点が存在する。「Suica」や「PASMO」をはじめとする従来の交通系ICカードや、紙のきっぷは一切利用できない仕組みだ。東京メトロと高見沢サイバネティックスは、目立つ専用外観により一般のICカード客の誤進入を防ぎつつ、人の流れを確認していく。

SNSでは賛否両論

クレジットカードやQRコードを用いた専用改札機に対して、SNS上ではさまざまな声が見られる。

肯定的な意見として、交通系ICカード利用者と通路が分離される点を歓迎し、「交通系ICが無いので快適すぎます」と評価する声や、「実際に使ってみると意外と高速です」「人が多く集まる施設でも問題なく運用できています」といった実体験に基づく肯定的な意見だ。処理速度の違いに着目し、「交通系ICカードに比べてどうしても時間のかかるタッチ決済を分けてもらったほうがみんな幸せになれますよね」と専用化を支持する意見も存在する。

否定的な意見も多数あった。

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読み取り精度に不満を持ち、「QRコードを全く読み取りません。通過するのに何分もかかってしまいます」と指摘する声や、「やはり交通系ICの方がスムーズで良いです」「反応が遅いタッチ決済やQRは大都市には不向きです」と従来のICカードの優位性を語る意見、さらには設置数の少なさを問題視し、「QR改札が1つしかなく一方方向利用だと、出入りできずに逆に時間を食ってしまいます」「高架駅でもQR改札が1つで詰まっています」と報告する体験談がSNS上にて確認できた。

心理的なハードルについて、「見かけるたびに使いたいと思うものの、なんとなく怖くて利用できません」と投稿する声や、誤進入の多さを指摘し、「Suicaをタッチしてしまう人が多々います」「自分は絶対に一度は突っ込んでしまう気がします。あれは前に立ってから気付くものなのでしょう」と心配する意見も見られた。

改札前での混乱を懸念し、「決済方法別に専用化すると、改札機の手前で迷う人が大量に出て、分かっている人が通れなくなってしまいます」と危惧する声もあった。

SNS上の声をまとめると、利用者は決済手段ごとに通路を分ける試みに対して、利便性や快適性の向上を期待して好意的な評価を寄せている。一方で、多くの利用者がQRコードやクレジットカード決済特有の処理速度の遅さを危惧し、設置通路の少なさが混雑の激しい都市部の駅で新たなボトルネックを生むリスクを指摘する。さらに、専用改札機の存在自体が心理的ハードルを生み、改札前での迷いや交通系ICカードの誤進入を誘発して人の流れを損なう事態を懸念する声も目立つ。

目立つデザインは誤進入を防いで利用者の不安解消につながるか

こうした利用者の不安や危惧に対して、今回の実証実験がどこまで有効に機能するかが注目される。東京メトロと高見沢サイバネティックスは、上野駅の木目調や銀座駅の白紺といった目立つ色とデザインを採用した。一目で通常の改札機と異なる点を示すことで、ICカード客の誤進入を防ぎ、迷いによる混雑を抑える狙いがある。

設置場所について、「専用改札機は、お客様が利用可能な通路及び読み取り部を分かりやすく認識できるよう、既設の改札機とは異なる外観とし、改札口全体でお客様がスムーズに各改札機を通過できるかを確認します」とある。

改札口全体の人の流れを円滑に保ちながら、多様化する決済ニーズに応える検証が今後も続けられる。東京メトロと高見沢サイバネティックスは、2027年2月頃までの設置期間を通して運用上の課題を洗い出していく方針だ。専用改札機が利用者の不安を解消し、将来的な本格導入やサービス拡張へつながるか期待がかかる。

関東の鉄道事業者で初めてとなる今回の取り組みは、乗客の通過動線や意識に大きな影響を与える。既存改札機とは異なる外観による誘導効果や、専用通路による混雑緩和の効果が検証される予定だ。東京メトロと高見沢サイバネティックスによる実証結果は、今後の鉄道決済インフラの進化における重要な指針となる。