8月8日付朝日新聞の読書欄に、特定の本を「ヘイト本」と決めつけて書店から排除しようとする活動を肯定的に紹介する記事が掲載された。メディアウオッチの皆川豪志氏は、これを「焚書」に等しい行為だと批判する。
「ヘイト本」排除活動を美談として紹介
朝日新聞の「著者に会いたい」コーナーで取り上げられたのは、小学校教諭の仲川啓介氏による『差別のない本屋に通いたい。本好き教師の冒険の記録』という書籍。仲川氏は、中国や韓国などに批判的な本を「ヘイト本」と認定し、大手書店19社に対して「平積みや目立つ場所に置かないで」と求める署名と公開質問状を送る活動を行っている。
記事はこの活動を「声をあげて旗振り続ける」と美談のように紹介し、「言論や出版の自由」という視点を一切欠いていると皆川氏は指摘する。
だれが何を基準に「ヘイト」と判断するのか
問題は、だれが何を基準に、何の権限があって一冊の本を「ヘイト」と判断するのかという点だ。「発禁」を求めていないとはいえ、書店の棚に影響を与える圧力は出版社にとって死活問題であり、読者の選ぶ自由を奪う行為だ。時の政府や権力者が思想弾圧を目的に行う「焚書」と何ら変わらないと皆川氏は批判する。
毎日新聞が発行する「毎日小学生新聞」も今年6月、この話題を一面で大きく取り上げ、子供たちに向けて「正義の人」であるかのように紹介していた。リベラルを名乗るメディアが自分たちと異なる意見を平気で排除する傾向は彼らの特徴だが、言論を仕事とする側として、この思い込みの恐ろしさに気付くべきだと皆川氏は問いかける。



