トヨタの車サブスク「KINTO」が好調、購入より最大100万円安いケースも
トヨタKINTO、購入より最大100万円安いケースも

トヨタグループが展開する車のサブスクリプションサービス「KINTO」が好調だ。2019年にサービスを開始し、累計申込数は2023年末に10万件を突破、2025年には17万件に達した。年間売上高は2025年度に770億円超となり、すでに黒字化も達成している。

KINTOの特徴と料金プラン

KINTOは自動車税やメンテナンス費用、修理費などの諸経費が月額使用料に含まれるサブスクサービスだ。2019年にトヨタファイナンシャルサービスが66.6%、住友三井オートサービスが33.4%を出資して株式会社KINTO(名古屋市)を設立し、同年にサービスを開始した。新車と中古車から選ぶことができ、契約プランは「初期費用フリープラン」と「解約金フリープラン」の2種類がある。前者は初期費用が不要だが、中途解約には手数料がかかる。後者は初期費用として月額5カ月分に相当する申込金が必要だが、中途解約の手数料は無い。

トヨタ車の新車で初期費用フリープランの場合は3年、5年、7年のいずれかの契約期間を選べる。公式Webサイトのシミュレーションによると、初期費用フリープランで5年間、新車の「シエンタ」に乗る場合、ボーナス払い無しだと月額使用料は5万1150円だ。同様の条件で新車の「ヴェルファイア」を選択すると、月額料金は10万4280円になる。トヨタ車のほか、LEXUSやSUBARU車も選択可能だ。中古車の場合は契約期間が2年間のみで、初期費用フリープラン、ボーナス払い無しで「ヤリス」に乗る場合、月額使用料は4万円前後になる。

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購入と比較したコスト

KINTOを利用して、初期費用フリープランで「アクア」に5年間乗る場合、支払総額は約329万円だ。一方、車を購入する場合は5年間の支払総額は銀行自動車ローンで約432万円、現金一括払いで約396万円だ(5年後の下取りを考慮)。これらは税金や車検費用などを含む数字で、KINTOの公式Webサイト上で公表されている。車を購入する場合よりも、最大で100万円程度安く乗れるという。

条件によって大きく変動するため一概には言えないが、300万円の車のローンは月額5万円前後だ。一般的な車の年間維持費(ガソリン代・駐車場代含まない)は最大20万円程度。ローンと合計すると、年間費用は最大80万円で月額約6.7万円になる。短期間ならKINTOの方が安く抑えられるかもしれない。ただし、ローン期間を超えた長期使用では所有の方が安くなるはずだ。

若年層の支持と今後の展望

KINTOの利用者層は、18~39歳が全体の4割を占める。日本全体に占める同年代の割合は2割強であることから、若年層を中心に支持を得ていることが分かる。若年層の間では車離れが加速している。可処分所得が減少する一方、車の価格は上昇しており、ローンを組んで購入するハードルが高まっている。また、80~90年代のように車の所有に憧れる風潮も薄れている。

4カ月前、豊田章男会長とトヨタ工業学園の学生による会話がXで話題となった。「車って何だと思っている?」と豊田氏が質問すると、学生は「移動手段です」と答えたのだ。テレビ番組の切り抜きで、元は2014年に撮られた映像だとされる。車を移動手段と割り切るのは、まさに今の現役世代の意識を反映している。

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トヨタの公式である点も、KINTOの支持につながった。金融業界を中心に他社も5年契約で月額5万円程度のサブスクを提供しているが、KINTOはトヨタの正規ディーラーで受け取りやメンテナンスができることを売りにしている。納車の早さも選ばれる理由の一つだ。コロナ禍では供給不安により、新車の納品に半年から1年以上かかる事態も発生したが、KINTOでは早く車を手にすることが可能だった。1年待ちの新車がKINTOでは1~2カ月程度で入手できることもあった。現在のKINTOは3~4カ月待ちの車が多く、早い車では1.5カ月で入手可能だ。

日本自動車リース協会連合会によると、国内では新車販売台数が減少する一方、リース車契約総台数は増加傾向にある。2025年の契約台数は約77万台で、新車全体の約17%を占める。所有から使用への移行が進む中、今後も手軽さと納品の早さを武器に、KINTOの好調は続きそうだ。