スバルは、矢島工場(群馬県太田市)でBEV(電気自動車)とICE(内燃機関車)の混流生産を本格化し、年間100万台規模の生産体制を目指している。同工場は1969年から稼働する老舗完成車工場で、限られた敷地にプレス、ボディ溶接、塗装、組立、検査工程を集約したレイアウトが特徴だ。従業員数は2026年5月時点で約5900人。
混流ラインの特徴と設備投資
矢島工場の製造ラインは大きく2つに分かれる。第1ラインは「アウトバック(北米向け)」と「フォレスター」を生産。第2ラインではBEVの「トレイルシーカー」、トヨタ「bZ4X ツーリング」、さらに「フォレスター」が混流される。第2ラインは2025年8月から2026年1月まで約半年間、BEV生産に向けた設備改修工事のため完全停止し、2月からBEV生産を開始。夏頃からフォレスターを含む混流生産を開始する予定だ。
この混流ラインに対応し、スバルは隣接するプレス型メンテナンス工場を改修して、自社初となるバッテリーパックのアッセンブリー工場を開設。2月から量産を開始している。同工場では、電動パワートレインとサスペンションを組み合わせたモジュールを車体下部から搭載する工程や、バッテリーパック搭載工程が導入された。
BEV×ICE混流の課題とブリッジ生産
スバル関係者によると、BEVとICEの混流生産では、トヨタ車とスバル車で製造工程が異なる点が課題となった。特に、BEVとICEではパワートレイン搭載方法やバッテリーパックの取り扱いが異なり、ラインの柔軟性が求められる。スバルは「ブリッジ生産」と呼ばれる手法を採用し、異なる車種の切り替えを効率化。工場全体の生産能力を最大化しつつ、年間100万台規模の生産を視野に入れている。
スバルは生産領域での設備投資を従来レベルで維持しながら、混流生産の柔軟性を高める方針。今回の矢島工場の改修はその第一弾であり、今後の生産体制のモデルケースとなるとみられる。



