川崎重工業は7月28日、報道関係者向け説明会を開催し、4脚型オフロードパーソナルモビリティ「CORLEO」(コルレオ)の最新情報を紹介した。同社は大阪・関西万博で初公開されたCORLEOの製品化を2035年に目指しており、今回初めて固定式ながら乗車可能なモックアップを公開。開発のロードマップや事業戦略が明らかにされた。
人馬一体の楽しさを追求
CORLEOは、馬のような4脚で移動する点が最大の特徴。川崎重工はモーターサイクルと産業用ロボットの技術を融合させ、車輪では難しいオフロード走行を実現する。
開発ではモーターサイクル同様にクレイモデルを用いてデザインを修正。初期のフィーリング確認には大学の馬術部の学生が協力したという。
開発を率いる天辰祐介氏(SAFE ADVENTURE事業総括部長)は「“歩く”ことはめざしていない。飛んで走れるものを作っていきたい」と述べた。実機での危険なテストを避けるため、現在はライディングシミュレータの開発を先行させている。
バーチャルとリアルの両面展開
シミュレータはCORLEOの脚以外の機能を実装し、仮想空間内のオフロードコースで検証を行う。グラグラする岩場や滑りやすい斜面など、現実の物理挙動を再現することで、安全かつ低コストに開発サイクルを回す。シミュレータと実機の差はAIで補う方針だ。
このシミュレータは開発ツールであると同時に、最終プロダクトとしてeスポーツやゲームにも展開する計画。今回のモックアップはドイツで開催されるゲームショーに持ち込まれ、協業先を探すという。
2030年リヤド万博、2035年製品化へ
2030年のサウジアラビア・リヤド万博では会場内モビリティとして採用を目指し、「歩ける」状態を実現。2035年には走行可能なCORLEOを製品化するが、一般販売はハードルが高いため、まずはライディングパークなどのアトラクションとして提供する計画だ。
搭載する水素エンジンは排気量150ccから330ccへ拡大予定で、2027年の次期デザインでは車体サイズも大型化する。また、ライダーの乗車データを個人IDで管理し、レンタル機でも自分の「愛機」として楽しめる仕組みを検討している。



