米国政府が中国製電気自動車(EV)に対して最大100%の関税を課す方針を示したことについて、業界団体がEV移行に打撃を与える可能性があると警告した。全米自動車工業会(AAM)は声明で「この関税は、米国のEV普及目標達成を遅らせ、サプライチェーンに混乱をもたらす」と指摘した。
関税の詳細と背景
バイデン政権は5月、中国製EVへの関税を現行の25%から100%に引き上げる計画を発表。中国製バッテリーや部品にも関税を課す。これは、中国の産業補助金による過剰生産と低価格輸出に対抗する措置とされる。しかし、AAMのマット・ブラント会長は「関税は米国自動車メーカーの競争力を損ない、消費者へのコスト増につながる」と懸念を示した。
業界への影響
米国では、2030年までに新車販売の50%をEVにする目標が掲げられている。AAMの試算では、関税によりEVの平均価格が最大5,000ドル上昇し、需要が鈍化する可能性がある。また、多くの米国自動車メーカーは中国製バッテリーに依存しており、関税は生産コストを押し上げる。フォード・モーターの幹部は「短期的には代替調達が難しく、生産計画の見直しを迫られる」と語った。
中国政府の反応
中国政府は関税に強く反発し、報復措置を検討している。商務省の報道官は「米国の保護主義的措置は世界の貿易ルールに反する」と非難。専門家は、貿易摩擦がエスカレートすれば、EVサプライチェーン全体に悪影響を及ぼすと警告する。
今後の展望
業界団体は、政府に対し関税の再検討を求めている。AAMは「関税ではなく、補助金やインフラ投資でEV普及を促進すべきだ」と主張。一方、米国政府は国内生産の促進を目指しており、関税はその一環と位置づけている。今後の動向が注目される。



