トヨタ自動車、EV事業で中国市場に再挑戦:新戦略と課題
トヨタ、中国EV市場で再挑戦:新戦略

トヨタ自動車が中国の電気自動車(EV)市場で再挑戦を開始した。同社はこれまで中国市場でハイブリッド車(HV)を中心に販売を展開してきたが、EVシフトが加速する中で、巻き返しを図る必要に迫られている。

中国EV市場の現状とトヨタの課題

中国は世界最大のEV市場であり、2024年のEV販売台数は前年比35%増の約1100万台に達した。一方、トヨタの中国におけるEV販売台数は2024年に約5万台にとどまり、市場シェアは0.5%未満と低迷している。同社はこれまで、EVよりもHVや燃料電池車(FCV)に注力してきたが、中国政府のEV優遇政策や、BYDなどの中国メーカーの台頭により、戦略の見直しを余儀なくされた。

トヨタの中国事業責任者は、「中国市場のEV化のスピードは予想を上回っている。当社はこれまでHVで競争力を持ってきたが、EV分野での存在感を高めるためには、スピード感を持った対応が必要だ」と述べている。

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新たな協業とモデル投入

トヨタは2025年から、中国の現地パートナーである広州汽車集団(GAC)や比亜迪(BYD)との協業を強化する。具体的には、GACと共同開発したEVモデル「bZ3X」を2025年上半期に投入し、BYDから供給を受けるバッテリーを搭載したSUVも2025年後半に発売予定だ。

また、トヨタは中国市場向けに、現地ニーズに合わせたEVの開発を加速する。2026年までに、中国市場専用のEVモデルを10車種投入する計画で、価格帯も15万元(約300万円)から30万元(約600万円)まで幅広く展開する。これにより、中国の大衆EV市場でのシェア拡大を目指す。

競争激化と収益性の課題

しかし、中国EV市場はすでにBYDや上海汽車、テスラなどが先行しており、競争は激化している。BYDは2024年に300万台以上のEVを販売し、市場シェアは30%を超える。トヨタが投入する新モデルは、価格競争に巻き込まれるリスクが高い。

また、トヨタは中国市場での収益性にも課題を抱える。同社の中国事業の営業利益率は2024年に2%と、世界平均の8%を大きく下回っている。EV投資の拡大により、当面は収益が圧迫される可能性がある。

今後の展望

トヨタは中国市場でのEV販売を2026年に年間50万台、2030年に100万台と目標を掲げる。しかし、達成には現地生産の拡大や、充電インフラの整備、ブランド力の向上など、多くの課題を克服する必要がある。

アナリストは「トヨタが中国で成功するには、現地の消費者ニーズに合った製品を迅速に投入し、価格競争力を高めることが不可欠だ。また、自動運転技術など、差別化要因を打ち出すことも重要になる」と指摘する。

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