トヨタの水素エンジン車、欧州販売が急増 2024年は前年比3倍に
トヨタ水素エンジン車、欧州販売が前年比3倍

トヨタ自動車が開発した水素エンジン車「GRヤリス」の欧州での販売が2024年に急増した。前年比で約3倍となる1000台超を達成し、水素モビリティの普及に弾みがつきそうだ。トヨタは2025年にはさらに販売を拡大する計画で、カーボンニュートラル実現に向けた多様な選択肢の一つとして水素エンジンの可能性を追求している。

欧州での販売急増の背景

欧州では2035年以降、ガソリン車やディーゼル車の新車販売が事実上禁止される方向で議論が進んでおり、自動車メーカー各社は電動化への移行を迫られている。しかし、トヨタはバッテリーEVだけでなく、水素エンジンや燃料電池車など、地域のエネルギー事情に応じたマルチパスウェイ戦略を掲げている。GRヤリスの販売増加は、こうした戦略が欧州の一部の消費者や企業に受け入れられている証左と言える。

トヨタの欧州部門の広報担当者は「GRヤリスは内燃機関のスポーツドライビングを楽しみながら、カーボンニュートラルに貢献できる点が評価されている」と述べている。また、欧州各国で水素ステーションの整備が進み、実用性が向上したことも販売増加を後押しした。

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水素エンジンの技術的特徴

GRヤリスに搭載される水素エンジンは、ガソリンエンジンをベースに燃料供給系やインジェクターを水素対応に改造したもの。燃焼時にCO2を排出しないため、実質的なカーボンニュートラルを実現できる。ただし、水素の製造過程で化石燃料を使用すればCO2が発生するため、グリーン水素の普及が鍵となる。

トヨタは2021年にスーパー耐久シリーズに水素エンジン車で参戦し、レース過酷な条件下での技術検証を進めてきた。その成果が市販車であるGRヤリスにフィードバックされている。2024年モデルでは、エンジンの出力向上と水素タンクの容量増加により、航続距離が従来比で約20%延びた。

今後の展望と課題

トヨタは2025年、欧州でのGRヤリスの販売台数をさらに倍増させる目標を掲げている。しかし、水素エンジン車の普及には依然として課題が多い。水素ステーションの数は欧州でも限られており、特に南欧や東欧ではインフラ整備が遅れている。また、水素価格が高止まりしているため、ランニングコストがガソリン車やEVに比べて割高になる点も普及の壁となっている。

それでも、トヨタは水素エンジンを「もう一つの選択肢」として位置づけ、バッテリーEVと並行して開発を続ける方針だ。2025年には欧州以外の市場でも販売を開始する計画で、水素モビリティの裾野を広げる狙いがある。

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