トヨタ自動車と日産自動車の電気自動車(EV)戦略が、中国市場で明暗を分けている。両社のアプローチの違いは、販売実績や投資計画に如実に表れている。
日産の中国EV戦略:低価格路線も苦戦
日産は中国市場でEV「Ariya」や小型EV「Sylphy EV」などを投入しているが、販売は伸び悩んでいる。2023年の中国でのEV販売台数は約5万台と、同市場で年間300万台以上を販売するBYDの後塵を拝している。日産は2026年までに中国でEVを4車種投入する計画だが、価格競争の激化に直面している。
トヨタの慎重戦略:ハイブリッドで様子見
一方、トヨタは中国市場でEVよりもハイブリッド車(HV)に注力している。2023年の中国でのHV販売は前年比30%増の約40万台に達した。トヨタは2030年までに世界でEVを30車種投入する計画だが、中国では当面HVでシェアを維持する方針だ。ただし、中国のEV市場が急拡大する中、この戦略が長期的に有効かどうかは不透明だ。
投資額と生産体制の違い
両社のEV投資額も対照的だ。日産は2026年度までにEV関連に2兆円を投資する計画で、中国では現地合弁会社とともにEV生産能力を拡大している。一方、トヨタは2030年までにEVに4兆円を投資する計画だが、中国でのEV生産はまだ限定的で、主力工場はHVとガソリン車の生産に充てられている。
中国市場のEVシフトと日本メーカーの課題
中国では2023年の新車販売に占めるEVの割合が25%を超え、政府の補助金政策もEVシフトを加速させている。日本メーカーにとって、中国市場でのEV競争は死活問題だ。日産は低価格EVで巻き返しを図るが、利益率の低さが課題。トヨタはHVの優位性を活かしつつ、EVへの移行時期を慎重に見極める構えだ。
専門家は「日本メーカーは中国市場でEVの品揃えと価格競争力で劣後している。トヨタと日産の戦略の違いは、今後の中国事業の明暗を分けるだろう」と指摘する。



