EVシフトの波に乗るタイ、日系企業の新たな挑戦
EVシフトの波に乗るタイ、日系企業の新たな挑戦

タイが東南アジアのEV生産拠点に

タイが電気自動車(EV)の生産拠点として急速に存在感を高めている。日系自動車メーカーを中心に、EV向けの投資が相次いでおり、2025年までに年間生産台数30万台を目指す目標が掲げられている。タイ政府はEV普及に向けた優遇策を打ち出し、充電インフラの整備も進んでいる。

日系メーカーのEV投資加速

トヨタ自動車は2023年、タイでEVの生産を開始。日産自動車も2024年からEVの現地生産を計画している。ホンダは2025年までにタイでEVを発売する方針だ。これらの動きは、タイ政府が掲げる「30・30政策」、すなわち2030年までに新車販売の30%をEVにするという目標に沿ったものだ。

政府の優遇策と充電インフラ

タイ政府はEV購入補助金や輸入関税の引き下げなど、需要喚起策を導入。また、充電ステーションの設置目標を2025年までに1万2000基と設定し、インフラ整備を加速している。バンコク都内ではすでに多くの充電スポットが設置され、利便性が向上している。

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タイ投資委員会(BOI)の担当者は「タイはASEAN最大の自動車生産国であり、EVシフトにおいてもリーダーシップを発揮したい」と述べている。

サプライチェーンの変革

EV化に伴い、部品サプライチェーンも変革を迫られている。従来のエンジン部品からバッテリーやモーターなどの電動部品へのシフトが進む。タイには多くの日系部品メーカーが進出しており、彼らもEV対応を急いでいる。デンソーはタイでEV向けの熱管理システムの生産を拡大。パナソニックはバッテリー生産の増強を検討している。

課題と今後の展望

一方で、タイのEV市場はまだ黎明期にあり、充電インフラの整備や価格面での課題が残る。また、中国メーカーの参入も活発化しており、競争が激化している。BYDや長城汽車などはタイでEVを販売し、シェアを拡大中だ。日系メーカーは品質やアフターサービスで差別化を図る必要がある。

専門家は「タイがEVハブとなるには、バッテリーの現地生産や人材育成が鍵を握る」と指摘する。タイ政府はバッテリー生産の誘致にも力を入れており、2024年には複数のバッテリーメーカーの進出が決まっている。

タイのEVシフトは、日系企業にとって大きなチャンスであると同時に、変革を迫られる試練でもある。今後の動向が注目される。

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