半導体不足がEV生産に打撃、日米欧で工場停止相次ぐ
半導体不足がEV生産に打撃、工場停止相次ぐ

世界的な半導体不足が電気自動車(EV)の生産に深刻な打撃を与えている。日米欧の主要自動車メーカーで工場の操業停止や減産が相次いでおり、業界団体は2023年の世界EV生産台数が前年比で最大15%減少する可能性があると警告している。

トヨタ、日産が工場停止を発表

トヨタ自動車は2023年11月、国内の複数の工場でEV向け半導体の調達が困難になったとして、一部ラインの生産を一時停止すると発表した。対象となるのは愛知県や福岡県の工場で、停止期間は約2週間を見込む。日産自動車も同月、追浜工場(神奈川県)でEV用モーター制御半導体の不足により、生産ラインを一部停止した。

米国ではゼネラルモーターズ(GM)がミシガン州のEV工場で生産を一時停止。欧州ではフォルクスワーゲン(VW)がドイツの工場でEVの組み立てを中断した。これらの工場停止は、世界的な半導体供給網の混乱が長期化していることを示している。

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半導体不足の原因と影響

半導体不足は、2020年以降のパンデミックによる需要急増と、地政学的リスクによる供給網の分断が主因だ。特にEV向けのパワー半導体やマイコンは、スマートフォンやデータセンター向けと競合しており、供給が逼迫している。

業界団体の日本自動車工業会によると、2023年の世界自動車生産台数は半導体不足の影響で約500万台減少する見込み。そのうちEVは約100万台に上ると推計される。また、調査会社IHSマークイットは、半導体不足が2024年後半まで続く可能性があると予測している。

メーカーの対応策

各メーカーは半導体の安定調達に向け、異なる戦略を取っている。トヨタは半導体メーカーとの直接契約を強化し、在庫を積み増す方針。日産はルネサスエレクトロニクスとの協業を拡大し、自社設計の半導体を増やす計画だ。

一方、GMは半導体の設計・製造を内製化する方針を表明。VWは半導体メーカーへの出資を検討している。これらの動きは、従来のジャストインタイム生産から、半導体の戦略的備蓄へのシフトを示している。

政府の支援と今後の見通し

日本政府は2023年度補正予算で、半導体工場の新設や増設に対する補助金を拡充する方針。経済産業省は「半導体は経済安全保障の要」と位置づけ、国内生産基盤の強化を急ぐ。

しかし、半導体工場の建設には数年かかるため、短期的な供給不足解消は難しい。専門家は「2024年前半までは厳しい状況が続く」と指摘する。消費者への影響として、EVの納期遅延や価格上昇が懸念される。

業界関係者は「半導体不足を機に、自動車産業のサプライチェーンが大きく変わる可能性がある」と語る。部品の共通化や在庫の適正化など、新たな生産体制の構築が求められている。

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