EV補助金、2025年度から環境性能で差別化へ 経産省方針
EV補助金、環境性能で差別化 25年度から

経済産業省は2025年度から電気自動車(EV)の購入補助金について、環境性能に応じて支給額に差をつける方針を固めた。これまでは一律の補助額だったが、充電効率や航続距離などの性能で等級分けし、優れた車種ほど手厚く補助する。国内でのEV普及を加速する狙いがある。

補助金の等級分けと対象車種

新制度では、EVの環境性能を「充電効率」「航続距離」「電費」などの指標で評価し、複数の等級に分類。最高等級の車種には現行の補助上限額(85万円)を維持する一方、低い等級の車種には減額する方向だ。経産省は2024年度中に詳細な基準を策定し、2025年度からの施行を目指す。

対象は新車購入時の補助金で、現行の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」を改定する。これまで補助額は車種に関わらず一定だったが、性能差を反映させることで、より高効率なEVの開発競争を促す。また、ユーザーにとっては補助金の差が購入判断の材料となる。

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補助金制度の現状と課題

現行の補助金は、EV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を対象に、車両価格の一部を補助。2023年度補正予算では約1300億円が計上された。しかし、補助額が一律なため、性能向上のインセンティブが弱いとの指摘があった。また、航続距離が短い車種にも同額の補助が出ることで、消費者の選択が歪む恐れも指摘されていた。

経産省の担当者は「補助金の効果を最大化するため、環境性能の高い車種を優先的に支援する必要がある」と説明。新制度では、充電時間の短さや走行時のエネルギー効率も評価対象に含める検討を進める。

国内外メーカーへの影響

新制度は国内メーカーだけでなく、輸入車にも適用される。テスラやフォルクスワーゲンなど海外勢の高効率車種が優遇される一方、性能で劣る一部の国産EVは補助額が減る可能性がある。業界関係者からは「技術開発の促進につながるが、中小メーカーには負担」との声も聞かれる。

日本自動車工業会は「基準の透明性と公平性が重要」とし、業界として意見を提出する方針。経産省はパブリックコメントを経て、2024年中に最終案をまとめる。

EV普及目標と補助金の役割

政府は2035年までに新車販売の100%を電動車(EV、PHV、FCV、ハイブリッド車)にする目標を掲げる。EV販売比率は2023年度で約2%にとどまり、補助金の見直しで普及を加速したい考え。新制度では、充電インフラ整備との連携も検討され、高速道路の充電器設置補助も拡充される見通し。

経産省は「補助金の差別化で、消費者がより環境に優しい車を選びやすくなる」と期待を示す。一方で、補助金総額は現行規模を維持する方針で、等級間の差がどの程度になるかが注目される。

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