2024年の国内新車販売における電気自動車(EV)のシェアが過去最高を更新したことが、日本自動車販売協会連合会(自販連)のまとめで明らかになった。しかし、伸び率は前年から鈍化しており、充電インフラの不足や車両価格の高騰が普及の足かせとなっている。
2024年のEV販売実績
自販連のデータによると、2024年の乗用車新車販売台数は約442万台で、このうちEV(軽EVを含む)は約8万9000台と、シェアは2.0%に達した。これは2023年の1.7%から0.3ポイント増加し、過去最高を記録した。しかし、2023年の伸び率(前年比+50%)と比較すると、2024年の伸び率は+18%にとどまり、成長ペースが明らかに鈍化している。
特に、軽EVの販売が伸び悩んだ。日産自動車の「サクラ」や三菱自動車の「eKクロスEV」など、軽EVは2022年の発売当初こそ人気を集めたが、2024年は販売台数が前年比で減少した。軽EVのシェアは全体の0.6%程度で、EV普及の起爆剤として期待された役割を十分に果たせていない。
充電インフラの整備遅れ
EV普及の最大の障壁となっているのが、充電インフラの不足だ。経済産業省の調査によると、2024年末時点の国内の充電器設置基数は約4万5000基で、政府が目標とする2030年までに30万基には程遠い状況。特に、急速充電器は約1万2000基と、欧州(約50万基)や中国(約100万基)に比べて大幅に少ない。
「充電インフラが整わない限り、EVの本格的な普及は難しい」と、日本自動車工業会の担当者は指摘する。また、集合住宅での充電設備設置の難しさも、都市部でのEV購入意欲をそいでいる。
価格高騰と補助金の影響
EVの車両価格が高止まりしていることも、普及の壁となっている。2024年、日産「リーフ」の実勢価格は約400万円、テスラ「モデル3」は約500万円と、同クラスのガソリン車に比べて100万~200万円高い。政府はEV購入に対する補助金(上限80万円)を継続しているが、補助金の予算が限られているため、申請が殺到して早期に終了するケースも見られた。
「補助金に頼らない持続可能な市場を作る必要がある」と、自動車アナリストの加藤氏は語る。一方で、中国や欧州ではEVの低価格化が進んでおり、日本でも2025年以降、競争が激化すると予想される。
今後の展望
2025年には、トヨタ自動車が新型EV「bZ4X」の改良版を投入するなど、各社が新モデルを相次いで投入する計画だ。また、ホンダと日産が共同で充電インフラ事業に参入するなど、業界を挙げた取り組みも始まっている。しかし、政府が掲げる「2035年までに新車販売の100%を電動車に」という目標の達成には、まだ多くの課題が残る。
「2025年はEV普及の正念場になる」と、自販連の幹部は述べている。充電インフラの整備と価格低下が進むかどうかが、今後のEVシェア拡大の鍵を握る。



