電気自動車(EV)への移行が世界的に加速する中、自動車部品業界で大規模な再編が相次いでいる。部品メーカー各社は、EV化に伴う技術革新や需要構造の変化に対応するため、規模拡大と競争力強化を急いでいる。
再編の動きが活発化
例えば、2023年11月には、国内大手部品メーカーのデンソーとアイシンが、電動化関連部品の統合で合意した。両社は、EV向けのモーターやインバーターなどの開発・生産を一体化することで、コスト削減と技術力向上を目指す。また、同月には、住友電気工業と日立金属が、自動車用ワイヤーハーネス事業の統合を発表。両社の合計シェアは世界トップクラスとなり、調達力や生産効率の向上が期待される。
EVシフトがもたらす構造変化
EVシフトは、部品点数を減らす一方で、新しい部品の需要を生み出している。従来のエンジン車ではエンジンやトランスミッションなど約3万点の部品が必要だったが、EVではモーターやバッテリーなど約2万点に減少するとされる。しかし、バッテリーやパワーエレクトロニクスなどの分野では新たな需要が拡大しており、部品メーカーは対応を迫られている。
また、EVの普及は、部品メーカーの収益構造にも影響を与えている。エンジン関連部品の需要が減少する一方で、電動化関連部品への投資負担が増大。このため、単独での技術開発や設備投資が難しくなり、再編による規模拡大が不可欠となっている。
海外メーカーの動き
海外でも再編の動きは活発だ。ドイツの部品大手コンチネンタルは、2023年に自動車部品事業の一部を分離・統合する計画を発表。また、米国の部品メーカーも、EV関連のスタートアップ買収や事業統合を進めている。これらの動きは、グローバル市場での競争激化を背景に、規模拡大による競争力強化を狙ったものだ。
生き残りをかけた規模拡大競争
自動車業界の変革期において、部品メーカーの再編はさらに加速する見通しだ。特に、電動化や自動運転技術の開発には巨額の投資が必要であり、単独では対応が難しい中小部品メーカーの生き残りは厳しさを増している。業界関係者によると、「今後5年以内に、現在の部品メーカーの半数が再編や事業撤退を迫られる可能性がある」という。
一方で、再編によって生まれる巨大部品メーカーは、自動車メーカーに対する交渉力を強め、業界全体の構造にも影響を与えるとみられる。EVシフトは、自動車産業のサプライチェーンを根本から変えようとしている。



