欧州連合(EU)域内での電気自動車(EV)販売が急激に冷え込んでいる。2024年1月の新車登録台数に占めるEVの割合は10.9%と、前年同月の12.1%から低下した。これは各国政府が相次いでEV購入補助金を打ち切ったことが主因だ。
補助金打ち切りが需要を直撃
欧州自動車工業会(ACEA)のデータによると、2024年1月のEU域内の新車登録台数は前年同月比4.4%増の約85万1000台だったが、EVに限れば同23.6%減の約9万3000台と大幅に減少した。特にドイツでは、2023年12月にEV補助金が突然打ち切られた影響で、EV登録が前年同月比56.5%減となった。
「補助金の突然の終了は市場に混乱をもたらした」とACEAの広報担当者は述べている。ドイツ政府は財政再建のため、2024年度予算でEV補助金を全廃する方針を固めており、これが需要減退に拍車をかけている。
テスラとVWが打撃
メーカー別では、米テスラのEU域内での販売が前年同月比41.5%減の約1万2000台と大きく落ち込んだ。フォルクスワーゲン(VW)グループも同24.5%減の約1万5000台だった。一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)は同6.6%増、ハイブリッド車(HV)は同25.6%増と、ガソリン車とEVの中間的なモデルが好調だ。
市場調査会社JATO Dynamicsのアナリストは「補助金がなければ、EVは依然として内燃機関車より高価であり、消費者はコストを重視する」と指摘する。EU全体では、2024年1月のEV販売台数は前年同月比で約3万台減少した。
自動車業界の対応迫られる
EUは2035年までに新車の二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロとする目標を掲げているが、今回の販売減速は達成に向けた課題を浮き彫りにした。自動車メーカー各社は、EV価格の引き下げや充電インフラの整備を急ぐ必要に迫られている。
「補助金に依存しない持続可能なEV市場の構築が急務だ」と欧州自動車部品工業会(CLEPA)の幹部は語る。ドイツ政府は2024年後半に新たなEV促進策を検討するとしているが、具体的な内容は未定だ。



