欧州EV販売が低迷、メーカー各社が戦略修正
欧州の主要自動車メーカーが、電気自動車(EV)の販売不振に直面し、生産計画や価格戦略の見直しを迫られている。2024年上半期の欧州EV販売台数は前年同期比で約5%減少し、市場の減速が鮮明になっている。
フォルクスワーゲン(VW)は、IDシリーズの販売が想定を下回ったため、ドイツ国内のEV生産ラインの稼働率を引き下げる検討に入った。また、メルセデス・ベンツは、2030年までに全販売をEVにする目標を撤回し、内燃機関搭載車の開発継続を発表した。
中国勢が低価格EVで攻勢、市場シェア拡大
一方、中国の自動車メーカーは、低価格帯のEVを武器に欧州市場でのシェアを拡大している。BYDは2023年に欧州で約1万5000台を販売し、2024年は倍増を見込む。また、MG(上海汽車)は、欧州での販売台数が前年比で約50%増加した。
中国製EVの平均価格は約3万ユーロと、欧州製EVの約5万ユーロを大きく下回る。この価格差が、消費者にとって大きな魅力となっている。
補助金削減や充電インフラ不足が需要を抑制
欧州各国でEV購入補助金が削減されていることも、需要低迷の一因だ。ドイツ政府は2023年末に補助金を打ち切り、フランスも2024年から所得制限を導入した。これにより、消費者は価格の高いEV購入に慎重になっている。
また、充電インフラの整備が追いついていないことも課題だ。欧州連合(EU)の目標では、2030年までに公共充電スタンドを350万基設置する計画だが、2023年末時点で約60万基にとどまっている。
欧州メーカー、中国勢との協業も模索
こうした状況を受けて、欧州メーカーは中国勢との協業を模索する動きも出ている。VWは、中国のEVスタートアップである小鵬汽車(Xpeng)と提携し、2026年までに2モデルを共同開発する計画を発表した。また、ステランティスは、中国の零跑汽車(Leapmotor)と合弁会社を設立し、欧州市場向けの低価格EVを生産する方針だ。
業界アナリストは「欧州メーカーが中国勢の技術やコスト競争力を取り込みつつ、ブランド価値を維持できるかが今後の焦点」と指摘する。



