EV販売不振でも中国勢が攻勢、日本市場で存在感高まる
EV販売不振でも中国勢が攻勢、日本市場で存在感高まる

世界的な電気自動車(EV)販売の減速が報じられる中、中国のEVメーカーが日本市場で存在感を高めている。特に比亜迪(BYD)は、2024年に日本での乗用車販売台数が前年比でプラスに転じ、市場参入以来初の成長を記録した。日本自動車販売協会連合会のデータによると、BYDの2024年の新車登録台数は約2,200台で、前年の約1,500台から約47%増加した。これは、日本市場における中国EVメーカーのプレゼンスが着実に拡大していることを示している。

日本市場における中国EVの台頭

BYDは2023年1月に日本市場に乗用車を投入した。当初は販売チャネルの構築やブランド認知度の低さに苦戦したが、2024年には「ATTO 3」や「シール」などのモデルが徐々に認知され、販売台数を伸ばした。特に、2024年後半に投入した「ドルフィン」の低価格モデルが好調で、価格帯は300万円台からと、国内メーカーのEVに比べて競争力のある価格設定が奏功した。BYDジャパンの担当者は「日本のお客様にEVの魅力を伝えることができている」とコメントしている。

国内メーカーの苦戦と中国勢の戦略

一方、日産自動車やホンダなどの国内メーカーは、EV販売で苦戦を強いられている。日産のEV「リーフ」は2024年の販売台数が前年比で減少し、ホンダの「ホンダe」は生産終了が決まった。国内メーカーはEVのラインアップを拡充しているが、価格面で中国勢に劣る。また、充電インフラの整備が進んでいるとは言えず、消費者のEV購入意欲は依然として低い。そうした中、中国勢は低価格と充実した装備を武器に、日本市場でのシェア拡大を狙っている。

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2025年の展望と今後の課題

BYDは2025年に日本市場でさらに新型車を投入する計画だ。具体的には、2025年後半に「シーライオン」シリーズの新型SUVを発売する予定で、これにより販売台数をさらに伸ばす狙い。業界アナリストは「BYDは日本市場で年間1万台の販売を目指している。2025年にはその目標に近づく可能性がある」と指摘する。ただし、日本市場ではハイブリッド車(HV)の人気が依然として高く、EV全体の市場規模は限られている。中国勢が本格的にシェアを拡大するには、充電インフラの整備やアフターサービスの充実など、さらなる課題を克服する必要がある。

政府のEV普及政策と中国勢への影響

日本政府は2035年までに新車販売をすべて電動車両にする目標を掲げているが、具体的な補助金政策は限定的だ。2024年度のEV購入補助金は最大85万円で、中国製EVも対象となる。ただし、米国や欧州のような中国EVへの関税引き上げは行われていない。このため、中国勢は日本市場を重要な輸出先と位置づけている。一方で、日本メーカーは中国市場でのシェア低下に直面しており、国内市場でも中国勢との競争が激化している。

まとめ:日本市場における中国EVの未来

EV販売の世界的な減速にもかかわらず、中国勢の日本市場への攻勢は続いている。BYDをはじめとする中国メーカーは、低価格と新モデルの投入で存在感を高めており、2025年以降もその勢いは続くとみられる。しかし、日本市場の特性を考慮すると、HVとの競争やインフラ整備の遅れが課題となる。中国勢が日本市場で持続的に成長するためには、単なる価格競争だけでなく、ブランド力の向上やアフターサービスの充実が求められる。

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