EVシフト加速、中国勢が欧州市場で日本メーカーを圧倒
EVシフト加速、中国勢が欧州で日本メーカーを圧倒

欧州連合(EU)の新車市場で、中国の電気自動車(EV)メーカーが急速に存在感を高めている。2024年のEU新車販売における中国EVのシェアは8%に達し、日本メーカーの2%を大きく上回った。この傾向は、欧州の環境規制強化と中国メーカーの低価格戦略が背景にある。

中国EVシェア拡大の背景

欧州自動車工業会(ACEA)のデータによると、2024年のEU全域での新車登録台数は約1000万台で、そのうちEVが占める割合は約15%だった。中国ブランドのEVはそのうちの約8%を占め、前年の5%から上昇した。一方、日本メーカーのEVシェアは2%で、前年比横ばいだった。

中国勢の躍進を牽引するのは、比亜迪(BYD)や上海汽車(SAIC)傘下のMGなどだ。BYDは2024年に欧州で15万台以上を販売し、前年の3倍に増加した。MGは欧州EV市場でトップ10入りを果たしている。これらのメーカーは、バッテリーの自社生産や規模の経済を活かし、競合他社より20~30%安い価格を実現している。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

日本メーカーの苦戦

日本メーカーでは、トヨタ自動車や日産自動車がEVを投入しているが、販売は伸び悩んでいる。トヨタの欧州でのEV販売台数は2024年に約3万台で、シェアは1%未満。日産はリーフやアリアを販売するが、シェアは0.5%程度だ。日本メーカーのEVは価格競争力で劣り、充電インフラの整備やソフトウェア面でも中国勢に遅れを取っている。

業界アナリストの田中氏は「日本メーカーはハイブリッド車で成功したが、EVへの移行が遅れた。欧州の厳しい排出規制に対応するには、EVの品揃えを拡充する必要がある」と指摘する。

規制と補助金の影響

欧州連合は2035年までにガソリン車の新車販売を事実上禁止する方針で、EVシフトは不可避だ。欧州各国はEV購入に補助金を提供しているが、中国製EVには関税が課されている。EUは2024年10月から中国製EVに最大45%の追加関税を課すことを決定したが、BYDなどは現地生産を計画し、関税回避を狙う。

この動きに対し、日本政府はEV普及に向けた戦略の見直しを迫られている。経済産業省は「2025年度までに国内のEV充電器を30万基に増やす」目標を掲げるが、欧州市場での競争力強化には、日本メーカーのEV開発加速が不可欠だ。

今後の展望

中国EVメーカーの欧州進出は加速しており、2025年にはシェア10%超も視野に入る。一方、日本メーカーはホンダが2026年に新型EVを投入するなど、巻き返しを図る。しかし、価格面での優位性や電池技術の進歩で中国勢がリードを広げる可能性がある。

専門家は「日本メーカーは中国勢との提携や電池調達の多様化を進めるべきだ。また、欧州の消費者の嗜好に合わせた車種開発が急務」と述べている。EVシフトの主戦場である欧州で、日本メーカーが生き残るためには、迅速な戦略転換が求められている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ